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2014年7月11日 (金)

金色の河

昔々あるところに、大地を肥沃にしてくれる偉大な河がありました。流れる河の水は広い大地に栄養を運び、様々なおいしい作物を毎年沢山実らせてくれたので、人々は河の豊かな恵みで幸せに暮らしていました。

そんな河のほとりに、新しい商売を探す一人の男がやって来ました。男は河を一目見て惚れ込んでしまい、河に大きなダムを作って流れをせき止め、水を独占しました。
「この水が欲しければ料金を払え」
人々は仕方なく高い料金を払って水を買っていましたが、やがて費用の負担が重なり泣く泣く農地を手放していく人達が出るようになりました。河の水と豊かな恵みは大地と人々に行き渡らなくなりました。
男の方は見たこともないような大金持ちになっていきました。こんなに楽で儲かる商売なら引退しないで一生続けていきたいと思いました。貧しくて毎日お腹を空かせて毎日兄弟達とパンを奪い合う惨めに荒んだ辛い子供時代の思い出がウソのようです。男の目には河の水が金色に見えました。

やがて、河の流れをせき止められた大地は干ばつになり、作物は実らなくなりました。
食べ物が手に入らなくなり、大金持ちになった男は金貨にまみれて飢え死にしました。

ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 よどみに浮かぶ泡(うたかた)は、 かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし-------------鴨長明

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小説」カテゴリの記事

コメント

本当の豊かさとは?を考えるのにわかりやすいお話ですね。
深いな。

>ぷうままさん
ご感想ありがとうございます。
震災以降続けてきた「豊かさ」というテーマの妄想を物語形式にしてみました。
世間に流れる「金色の河」が正常に流れる日を思うとワクワクするのです。そんな日を願い夢見ています。

わかりやすい、お話しです。

7月12日の明け方4時22分頃、携帯電話の緊急地震予報が、鳴りました。

消費税も上がり、仕事も、給料は変わらず、1人1人の生活は、実感として豊かになったとは言い難く、

それでも、日々を生き抜いて、周りを見渡す余裕もなく、

人々が、個人的に、上手くいっていればいい

みたいな、風潮の中、今朝の地震です。
大変なのは、自分だけじゃない。

そんなふうに、天や大地が教えてくれたのでしょうか?

奇しくも、今日は満月です。

心の浄化でもしてみます。

いつもためになるお話し、ありがとうございます。

>義月 静堂さん
今朝はあのキュイキュイに起こされましたw
福島でM7に近い地震があったんですね。また日本の龍脈が大きく動いてこの国の運気が流れを変えていくような気がします。
今のご時世、人々は目先の利益を追うだけで精いっぱいになりやすい(=視野が狭くなりやすい)ですが、狭い視野に閉じ込められた心を広い視野へと解放していけるような運気の流れが生まれることを祈っています。

今こちらでも良いお月様が見えます。
昨日はスーパームーンだったようですね。
http://www.cnn.co.jp/fringe/35050739.html

記事をお楽しみいただければ幸いです。

金色の河。鴨長明の一文。
最近、ブログを始めたのですが、そこで考えていた事の参考にさせて頂きました。
もしよろしければ、リンク、転載させてもらっても良いでしょうか?

>サボテンさん
はい。構いません。
よろしければブログ見せてください。

転載させて頂きました。
http://plaza.rakuten.co.jp/v11235813/diary/201407260000/

有難うございます。

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