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2013年6月24日 (月)

本気で架空のキャラを愛する人々

ちかごろ、以前に書いたエア恋愛の意味・・・とりわけ童貞のまま30代で死んだ男の誕生日「草食化」という本能?といった一連のテーマと非常にマッチする動画を発見したのでご紹介。

 

この動画は、アニメを媒介(きっかけ)にして己の内なる「アニマ(※)」を愛してしまった男達の心と生き様が記録されている。アニマとの出会いは時に奇跡的な変化をもたらす。

 

アニマ:
心に住む理想の女性像。しばしば本人の持つ抑圧された個性や可能性や能力・欲求のシンボルになっている。この男性版を「アニムス」という。「自分」という魂の一側面ともいえる。
年齢や精神的変化に伴ってアニマ・アニムスの特徴が変化していくこともあるので、常に同じタイプの女性像・男性像を好み続けるとは限らない。

見ているものはアニマか人間か←この記事も同じテーマを扱っている。アニマの投影対象が2次元キャラかアイドルかというだけで、心の中で行われている事は同じだ。

好きになったキャラのどの部分に自分のアニマ・アニムス(抑圧された個性や可能性や欲求を象徴表現した理想の女性像・男性像)を投影しているかで、自分が無意識下でどんなことを 求めているのかがわかる。
自分の理想を投影しているのは、そのキャラのどの部分か。そのキャラの一挙手一投足、言動の全てが自分の理想(アニマ・アニムス)を体現などしていないはず。
もしもそのキャラの有様が100%自分の理想を体現しているのだとしたら、それはもはや他人ではなく、「本人(自分の脳内が現実化)」になってしまう。本当に脳内現実化現象が起きたらそれこそ超常現象だ。

無意識下で気づかずに「そのキャラの100%全てが自分のアニマ・アニムスを体現している」と勘違い・錯覚する(ほんの一部分を針小棒大に拡大解釈する)ことで他人とアニマ・アニムスの混同・同一視・すり替えが発生する。
そのキャラがそのような有様に見えるのは、自分の中にそのような理想(アニマ・アニムス)があるから。そのキャラは他のファンから見た場合と自分の目から見た場合とで全く同じ見え方はしていないはず。
「嫁」とは、そのような姿のアニマ・アニムスを持っている自分自身の中にしか存在しない。自分から見た「嫁」は最初から自分の中にしかいない。自分にとっての「嫁」は自分の中にしかいない。
そして、最初からこの世のどこにも存在しないが、自分自身の中に確かにあって、世界で唯一自分にしか体験できない(出会えない)存在でもある。嫁は誰よりも自分に近いところに存在している。最初から自分の中にしか存在していない。最初から「公式」の存在ではない。公式の中には存在していないので、公式でそのキャラが死んでも自分の嫁は独立して存在し続けることができる。嫁と恋する体験を続けられる。
自分の嫁にそんなイメージや印象を抱き、その様に愛することができるのは自分だけ。それは自分の嫁が最初から自分の中にしか存在していない証。その嫁の名は、自分だけが味わえる体験の名でもある。

2次元キャラを本気で愛してしまった皆さんへ
皆さんのその心は、決して異常なものではありません。人類がずっと長い間やってきた「恋愛」と本質的に全く同じものです。よって、自分の恋愛感情や精神性を異常視して劣等感や厭世感を持つ必要はありません。
「恋愛」というと、今まで人類の間では生身の実在する人間にアニマやアニムスを投影して交際を求め叶えようとするタイプの恋愛(ある意味互いに相手を投影スクリーンとして利用する取り引き・駆け引き・協力関係)が主流でした。ある意味、「どんなに色んな人と交際しても、そこに見ている相手は同じただひとつの者」だったりすることがままあります。

しかし最近は他人を投影スクリーンとして使わず (ゆえにそのためのかけひきや協力関係を作らず)、もっと自分のアニマ・アニムスを投影するのに適したカスタマイズが出来る別のもの(例:いわゆる『二次元嫁』やオリジナルキャラ)を利用することでより直接的に自分のアニマ・アニムスを感じとり対話することで己を理解し成長・成熟しようとする傾向が増えているようです。そのような恋愛を通してなされる成長や成熟は、従来型の「男女の駆け引き」を用いてなされる成長・成熟とは少し趣が違うかもしれませんが、 それはそれで従来時代には無い新しい可能性を生むでしょう(決してコミュニケーション能力の発達をないがしろにすべきだという意味ではなく)。
時代が進むにつれ恋愛の舞台が社会的な場所から、より個人的、精神世界的、内面的な場所にも広がっていくことで多様化し、「恋愛」の定義が多義的になっていくのかもしれません。生身の相手と実際に交流しなければ得られない気づきと成長があるように、二次元キャラに恋することで得られる気づきと成長もあるでしょう。
皆さんの中には「恋人がいない」と嘆く人もいますが、皆さんはとっくに「恋人」がいます。むしろ浮気もせずその恋人(心に決めた人)だけを見てきたと言えます。
あの天才レオナルド・ダ・ヴィンチもその様な恋をしていた可能性があります()。

animation(アニメーション)は、ラテン語で霊魂を意味するanima(アニマ)に由来しており、生命のないものに命を与えて動かすことを意味します。つまり、アニメの語源は理想の女性像「アニマ」とスペルが同じです。生命の無い単なる2次元画像の集合体。それが視聴者達に配布された先で視聴者本人の魂の一側面(=アニマ・アニムス)を吹き込まれることがあったとすれば、それは語源が持つ運命のようなものかもしれません。
愛するお相手の姿・形は公式作品のキャラを借用していますが、それは紛れも無く「昔から自分の中にいた存在アニマ/アニムス」です。彼らはその作品が生まれる前から存在していたので公式設定やストーリー等の制約を受けず自由に生きて動ける存在です。公式設定に縛られない二次創作の同人作品がその証。
心にいる彼らはあなたに自分が動いている様子やシチュエーション等を「ふとイメージさせる」ことであなたにメッセージを伝えてきます。心に浮かんだそのイメージが何を象徴しているのかを解き明かしてください。彼らの見た目、特徴、どこでどんな動きをしているか、それが思い浮かんだ時の自分の状態、自分が何故そのキャラに心惹かれるのか、どんなところを好きになったのか、好きになった時の自分はどんな状況や事情を持っているかを考えてみると自己発見につながり、「それらが自分にとって何を意味するか」を解き明かしてください。暗号めいたやり方ですが、それが彼ら(彼女ら)との交信手段になります。それは、「自分」という未知なる命との対話でもある。
彼らと出会えたこと、彼らを愛したことで生まれて初めて味わう心情や感覚を体験したはずです。もはやそれを体験する前の自分には戻れないでしょう。生まれて初めて自分の愛する気持ちを相手に向かって(密かに)まっすぐ表現できた人も居るでしょう(もしまだ自分の気持ちを相手に表現したことが無いのなら、恥ずかしがらずにやってみてください)。そのような唯一無二の人生経験をさせてくれることが、彼らの愛です。彼ら(=アニマ・アニムス=魂)があなたの愛に応えてくれた証です。
彼らの愛に対して喜びや感謝の気持ちを伝えるのも一興。自分の心に素直になって、相手に自分の気持ちを伝えたり愛情表現をしてみることで、その経験がその後の人生の糧になります。

皆さんの愛するお相手は確かに3次元世界には実在しない存在です。しかし皆さんの精神の世界、即ち2次元を2乗した4次元の世界において確かに存在するし、確かに皆さんの心と人生に作用しています。皆さんは2次元の存在を愛しているように見えて、実際は4次元の存在を愛しているといえるでしょう。
愛する相手は誰にも見えない場所に居ますが、誰よりも近い場所に居ます。あなたの魂が100%共に生きられる唯一の相手は、あなたしか居ません。一度共に生きることになれば、その生き方は今後実在の人物と恋愛し交際し結婚しても続く関係です。人間は誰とどんな関係になろうが何をしようが自分の魂と人生を歩んでいるからです。両者で一つの生命体。
その魂(アニマ・アニムス)は、そのニーズがあるうちは便宜上そのキャラの姿・形を借りることがあります。自由自在に姿形を変えます。

2次元(4次元)存在を愛するその体験(経験)と作用は、自分自身にしか味わえない人生の宝物となり、また自分にしか作れない未来を作る糧となるでしょう。世界で唯一、自分にしか作り出せないその人生経験を尊んで下さい。それは自分自身を理解し愛することにつながります。
自分自身を理解し愛することが出来れば、他人を理解し愛することも出来るようになっているでしょう。いずれその経験は何らかの形で生かされます。

アニマ・アニムスという、自分の中で長らく封印・抑圧されてきた個性や可能性(あるいは願望)を自覚・理解し、自分の一部として統合する事を「個性化」といます。これは誰にとっても人生の中でとても大事なテーマの一つになります。人格形成がさらに発展し、その後の運勢や人生が大きく変わることもザラにあります。そんな「個性化」という、人生でとても大切なことの協力者になってくれる相手は、その正体がコンテンツであろうが生身の人間であろうが、感謝できる大切なパートナーと言えるかもしれません。

 

中二病の有効活用


【リアル恋愛をテーマにしたお話】
人間を楽器に例えた恋の話

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コメント

本当に正確で正当な認識なので自信を持って下さい。

>通りすがりさん

ありがとうございます。

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