建前ではない本当の品位
先月31日にツイッターで殺害を示唆する投稿があったことを公表した人気子役・春名風花(愛称・はるかぜちゃん)が5日、「怖くて通報したけど、後悔してます」「本当に殺されそうになるまで、がまんすれば良かった」などと苦しい胸中を自身のツイッターで吐露した。また春名は、現在、熱・吐き気による体調不良で休養していることも明かしている。11月2日に警察に通報した春名だが、届け出る前は「こわいし、通報したい(ω)でも、ぼくのことで『子どもがネットをやるべきではない』ていうふうに、世論が動くのだけは、避けたい(ω)」(原文ママ)と自分の考えをツイッターで示していた。
今の大衆民度を考えると、この話を報道したり、この話について本人が何か発表(ツイート)すればするほど、却って殺人予告や嫌がらせが増えかねない懸念を感じる。杞憂であればこの上ない。
はるかぜちゃん本人はこの騒ぎを収拾させるスキルをまだ持ってないだろうから大人が色々教えてあげないといけない。こういうのは「何も語らない・蒸し返さない」に尽きることを。通報したとかしないとかも発表すべきじゃなかった。 周囲の大人や事務所の対応(放置?)は疑問。
本人にこういうツイートさせて話題性や事件性をupさせることが事務所の狙いか? 炎上ビジネス的な?
今の子はネットの使い方を小学校で習うのかどうか知らないが、自我が未発達な子供がネットを操る時代になっているのだとしたら、「言葉の暴力」が野放しになっているネット世界に今以上の民度が要求されるようになっていくかもしれない。
「子供が見たり作ったりしても問題の無い健全な交流サイト」などというものを存在させ続ける能力は、残念ながら現代の大人たちにはまだ期待できない。
むしろそういうところへわざと喜んで悪質な書き込みやリンクを撒き散らす輩すら出るだろう。いい歳した大人が小学生のブログを荒らすケースすらある。
かといってこれからの時代、子供達にネットを使ったコミュニケーションのやり方や「ネチケット」を教えずネットにも触れさせないでいることがふさわしいかといえばNOだ。得てして子供は本能的に大人のマネをする。ネット世界でもそうだろう。 だから大衆が(大人が)民度を上げていくしかない。
ネットの匿名性に守られながら、建前に縛られたリアルでは決して言えない・出来ないことをためらわず(時に恥も外聞も無く)ぶちまけてしまえるようになった時代。「取り繕ってお上品ぶる」必要の無い世界では、「本音と建前」という日本独自の処世術の裏側に抑圧されていた民度の幼い部分が何の躊躇もなく露呈する。だって隠す必要ないから。
「お上品の仮面を脱いでしまえるのはネットの世界だけ。ここだけは唯一鬱憤をぶちまけられるシェルターみたいなもの」という側面がある。
しかし、子供がネットに出てくる今は、そんな 「シェルター依存」から卒業する必要が出てきたわけだ。
今ほど真の意味で大衆の民度upが要求されている時代は今まで無かったんじゃないかと思う。「匿名か否かに限らず己の品位はいつも自然に保てるし、そこに価値を置ける」というのは、今の大衆にとって難易度が高い。
取り繕ってお上品ぶる(=建前上の演技・仮面=ボロが出る)じゃなくて、本当に心の底から品が良くないと実現不可能なことだ。中2病的に言うなら「深淵に封じられた魂の高潔さが目覚める」とかそんなレベル。
恐らく、子供相手に悪質な書き込みをするような手合いは「ネットに品位と民度を」という風潮が今後出来ても、「言いたいことも言えない世の中じゃ」と意に介さず、逆により一層暴れまわるのだろう。
「ぶちまけられるシェルターを子供に奪われる恐れと怒り」さえ抱くかもしれない。
あ。もしかしてすでにそういう恐れと怒りを抱えた人々がネットに出てくる子供(今回ははるかぜちゃん)に当り散らしてるのか?
・・・要するに、「そもそもぶちまける必要が無い」社会作んないといけないのかも。うわー難易度高w
オマケ←今回の場合、社会の鬱憤を虫歯の原因(歯の汚れ)に置き換えると・・・
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はじめまして
>要するに、「そもそもぶちまける必要が無い」社会作んないといけないのかも
うーむ、人とかかわる以上はどうしても溜まる感情はあるんではないでしょうか。それは無理なんじゃないかと。
なんというか今の世の中はMUSTとNOTが多過ぎるような気がするのです。他人が言う時もあれば、システムが言う時もあるのですが・・・それが抑圧された感情がはけ口へと流れる勢いを増加させている気がします。
投稿: 長井淳 | 2012年11月12日 (月) 19時38分
>長井淳さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
>無理なんじゃないかと
「うわー難易度高w」と皮肉ったとおりですwしかし、 「金輪際絶対無理!」と言い切るつもりは無いです。
今は少なくとも、ネットで子供や他の迷惑になるような八つ当たり的・攻撃的な形で「ぶちまける」必要が無い程度に改善されればとは思います(mustとnotの問題含め)。
昔は気心の知れた間で愚痴を言い合い仲間内でぶちまけるだけ上手に日々のストレスをコントロールすることが出来ていた時代もあったようですが、今は集合無意識下にずっと押し殺して蓄積してたストレスまで浮上しているようなご時世なので、ちょっと事情が違いますね。
しかし、今のご時世に顕著な集合無意識下から浮上しつつあるストレスは、どこかにぶちまけて発散するだけ(=その場しのぎ)では無く、根本原因の解決を迫るために(=解決可能だからこそ)浮上してるんだと思います。
投稿: AYA | 2012年11月13日 (火) 10時12分