男性的世界と地母神の再会1
以下に書くことは全て一個人の妄想です。今回は長いので複数に分けて投下。
◆地母神の加護篤き地
最近生まれた「PIGS」と言う言葉がある。世界金融危機において金融・財政部門の改善が自国の力のみでは達成出来ない可能性のあるヨーロッパの国々の総称だ。それぞれの国の頭文字を並べて「豚」を意味する蔑称にしたもの。要するに金運の低迷を打開できずにいる国のことだ。その国々はポルトガル、イタリア(又はアイルランド)、ギリシャ、スペイン。
実はこの国々、かつてはどこも地母神信仰が盛んだった地域。現在は盛んなマリア信仰等に姿を変えてその記憶が集合無意識に存続している (アイルランドの場合は聖ブリギットにもケルトの地母神を投影している模様)。
地母神(ちぼしん)とは、簡単に言うと「母なる大地の豊かさ」を擬人化した女神である。豊穣のシンボルだ。そして「女性的な豊かさ」のシンボルでもある。 昔は世界中どこにでも地母神信仰が存在していたが、時と共に忘れ去られていった。
そして現代、地母神信仰の名残を比較的強く残している国々は、例え金運が低迷していても潜在的には豊かさを秘めている。PIGSもそのひとつだ。PIGSも本来なら地母神の加護が篤いのだ。だから盛んに信仰されていた。
ならば、なぜ今、これらの国々はその潜在的なものを発揮できずにいるのだろう? 何故今この国々の豊かさは低迷しているのだろう? 地母神の加護は一体どこへ行ってしまったのか?
ここで私のオカルト脳が妄想を開始したので、以下にそれを記録する。
◆女性的な豊かさの作り方
豊かさが限られている状態の中、奪い合いの戦いに勝利することで豊かさを獲得し繁栄する方法(奪い合いの活動を拡大・存続させる方法。奪い合いのためにはいつも何かに飢えていなければならない。奪い合いによる勝者の影に必ず敗者がいる。)が男性的な豊かさの作り方だとすれば、女性的な豊かさの作り方は、「奪い合う必要がなくなるまでポコポコと豊かさを生み出し(増やし)行き渡らせる」ことだと思う。豊かさを生み出すことが制限されている状態なら、まずその前提環境を改善してしまうやり方かもしれない。写真はギリシャ神話の有名な地母神、アルテミス。これはトルコで出土したアルテミス像だが、トルコのアルテミスは子供達(人間)が母乳を奪い合う必要がないように、とても沢山の乳房を持っているという説がある。
十分な豊かさが生み出され行き渡り豊かさを奪い合う必要がないこと(飢える者がいないこと)、ゆえに全ての子供達が生きながらえること、即ち全ての命の可能性が活かされ発揮できること。これがアルテミスをはじめとする地母神の基本的な加護の形である。
PIGSの国々でマリア信仰が盛んなのは、この地域に住む人々の無意識(集合無意識)のなかに、加護の記憶がずっと受け継がれているからじゃないかと思う。それは即ち、世界の経済活動が男性的手法一辺倒に偏っている現代では忘れ去られつつある女性的な豊かさの作り方を、記憶のどこかに隠しているということだ。
経済状態が低迷し、世界の豊かさが低迷している今、その記憶を再び甦らだせることがひとつの開運法になるのではなかろうか?
世界が地母神を忘れ去り、男性的な豊かさの作り方で社会が作られ支えられるようになってからだいぶ経つ。社会が男性的な豊かさの方法一辺倒に偏っていった世界の歴史と現代は、女性的な豊かさの作り方(地母神の加護)をずっと活かせずにいる。男性的な豊かさの社会システムが世界を支配しているからだ。そこには奪い合いとは正反対の発想と能力を持つ地母神の居場所がない。だから子供達は、彼女に会えずにいる。奪い合うせいで生み出された豊かさが行き渡らないから、母乳を貰えずにいる。
◆男性的な豊かさの世界
人々は男性的な豊かさで社会を営む道を選んだ。それ以来、男性的社会(仮にオトウサンと表現)が地母神(仮にオカアサンと表現)からはそっぽを向いて男手ひとつで子供達を育てるためには(子供達を食べさせるには)、とても沢山の奪い合いに参加しなければいけなくなった。だってオトウサンにはオカアサン(地母神)のように子供の数に見合う乳房がないし母乳も出ない。豊かさを「生み出し行き渡らせる」力がない。 ゆえに、オトウサンはたった一人で沢山の子供を抱えてとても苦労していた。
結局、オトウサンは全ての子供達全員に豊かさ(滋養)を行き渡らせることができなかった。ゆえに、全ての命の可能性は活かされず、生存競争(豊かさの奪い合い)に勝ち残った一部の子供だけが繁栄することになり、豊かさは十分な量が行き渡らず勝ち組側に偏るだけ。乳房のないオトウサンはオカアサンのように全体に対して「プラス」を生み出してあげることが出来ず、全体に対して格差を作ってやることしか出来なかった。やがてそのしわ寄せが押し寄せる。
それがヨーロッパというかつての「勝ち組」の中にいるPIGSであり、貧しい国から来た出稼ぎ移民の問題であり、世界全体の経済不振でもあるのだろう。 何というか、勝利し奪い取って作った繁栄とひきかえに「敗者」を作り出してきたツケを勝者が支払ってるような皮肉を感じる。 プラマイゼロ。
奪い合いに負けて滋養にありつけずひもじいと泣く子供にオトウサンはこう言ったかも知れない。
「カアサンのことは忘れろ。カアサンはもういないんだ。食い物が欲しけりゃ自力で他の奴から勝ち取れ。誰も俺やお前を助けたりなんかしない。カアサンから離れて弱肉強食の中で戦いながら強く生きるんだ。甘えるな。」
次の瞬間、オトウサンの腹の虫が鳴った。
それを聞いた子供は心のなかで密かにささやいたかも知れない。
『オトウサンだってオカアサンがいなくて困ってるじゃない・・・もうオカアサンと仲直りした方がいいよ・・・』
次回、オトウサンとオカアサンが仲たがいした背景に迫る(妄想)。
※注:弱肉強食の奪い合いをする経済活動というといかにも資本主義的なイメージだが、共産主義・社会主義の世界だと弱肉強食や奪い合いが無いかのように表面上は取り繕えるが、実際はどこも奪い合いの勝者が権力を握って繁栄し、奪い取られた一般人民が平等に敗者という構図になっている。主義主張を問わず、「奪い合い」という発想が無意識に刷り込まれていてそれを前提に物事を進めてる限り、どういう手法を選んでも一部の勝者しか繁栄せず全ての可能性は活かせないのだろう。
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