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2011年3月18日 (金)

被災地を思うときの注意

無事な地域の人々が被災地を思いやるのはいいんだけど、過度の感情移入はあわてた個人が的外れな物を大量発送して生じる混乱や恐怖感による買い占めパニックを誘発したり、集団レベルでストレス度が上がってヒステリーを誘発することがあるのであまりオススメしない。デマにも振り回されやすくなる。

凄惨な犯罪被害の事情聴取を担当した人が間接的なPTSDに近い状態に陥って治療を受けるケースがあるように、あまりにも深い感情移入は心のバランスを不安定にさせ、ストレスを増やしたり判断力を鈍らせたりすることもある。

感情移入のストレスが上がることで怒りっぽくなったり、誰かのちょっとした言動や言葉尻をとらえてヒステリックに集中攻撃して憂さ晴らしするような現象も増えてしまう。ちょっとした口実で因縁をつけて不謹慎だと叩くことで感情移入のストレスを発散しようとしている時点で、その人は既に心のバランスがいつもより崩れつつある。

誰かがブログで「今日のメニューはおいしく出来た」と写真つきで呟いただけで逆上しない冷静さは欲しい。快適な生活が出来ることに罪悪感を持って自分を責め続けたところで何の役にも立たない。漫画を読んで笑っている人を見て「こんな時によく笑ってなんかいられるね?」と食って掛かってケンカになってもしょうがない。
何か月も前から準備してきた新婚旅行や結婚式をするカップルを不謹慎だと叩くのは妬みにしか見えない。

感情移入のストレスで怒りっぽくなり、義援金を送る・送らない等を巡って相手を責めたり金額で相手を責めるのはナンセンス。
感情移入のストレスを解消するために自分の価値観と正義を他人に押し付けコントロールを試み、思い通りに動かない相手を許せず攻撃する心理は、下手をすればシーシェパードみたいな方向に陥る危険がある。
(自分の思い通りに動いて感情移入によるストレス発散の道具にならない相手が許せない心理を道義的義憤にすり替えて正当化してるのがシーシェパード。彼らの掲げる絶対正義はクジラを救うことよりもクジラに己の内面を投影し感情移入した自分達を救うことに基づいている)

そういう悲痛で陰鬱な雰囲気の風潮は、後々お笑い芸人やアーティストがチャリティーイベントしようとしてもそれすら許さない空気を作ってしまう。
こういう時はむしろ心のバランスをいつも以上に気にかけておく方がいい。出来るだけストレスを溜めずリラックスすること。娯楽や食事やアロマオイルがよい効果をもたらすなら、ありがたく大いにそれを活用すればいい。とても健康的なことだと思う。

深く感情移入せず冷静に支援することも大変意義深いことだし、冷静さやリラックスを保つことは決して人でなしなどではない。 客観性を保つことは悪ではない。
例えば医者や弁護士やカウンセラーや占い師は客観的視点に基づいて相手の苦しみを冷静に把握し分析して本人が苦しみから抜け出す支援をすることはあっても、決して感情移入することがないように注意している。

大きな苦しみを抱えて冷静さが保ちにくい状況にいるときほど冷めた部分(客観性)がどこかに必要なのは、人間の心のなかでも社会のなかでも同じかもしれない。

無事な地域の皆さんは、落ち着いていつも通りの心で生活をするのが無難だと思う。

たまにはこんな動画でも見てリラックスするのはいかが?

この可愛さは不謹慎?

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