「帰国」見たあと思いついたネタ
TBSがやってたドラマ「帰国」。太平洋戦争の戦死者が何故か部隊ごと今の日本に帰ってきて、子孫や現代の日本が抱える現実と直面する+恋愛要素的な話。基本的にお説教系。(個人的にはあの戦争で兵士がどれほど祖国のために戦死したところでその死が国の繁栄に結びつくわけじゃないと思う。国の繁栄は戦争とはまた別の要因だろう)
中身に期待してなかったけど案の定中途半端でつまらなかった。終わりの方ひどいw
英霊が現代に帰って来て繰り広げる話を作る場合、むしろこういうラノベ風脚本なら視たい。以下妄想。
・主人公は今どきの女子高生。両親が仕事で海外におり、会うのは年数回。お手伝いさんのいる家で一人暮らし。裕福だが子供の頃からさびしい思いをしている。自分の殻に閉じこもりがち。
・何か不思議な力により、ある年の夏に戦場で自決したとされる彼女のおじいちゃん(当時25歳イケメン)が孫のもとへやってくる。孫にだけ見えるおじいちゃん(最初は下着泥棒と間違われるのはお約束)。
・今の日本の様子を見たがるおじいちゃんに孫が色んな所(秋葉やメイド喫茶含む)へ連れて行く。現代の日本の様子に喜んだり驚いたり、時にはため息をや憤慨をするおじいちゃんと、発想が60年以上ズレたまま(感性は当時の若者)なおじいちゃんに呆れる孫のハチャメチャコメディや社会問題などについて考えさせられるシーン。
おじいちゃん曰く「この国は平和だしずいぶんと豊かにもなれたようだが、それを生きる幸せのために十分役立てる力がある様には見えない。そもそもお前からして(以下孫にお説教 孫逃げる)」
・おじいちゃんは長いこと現地で浮遊霊してるうちに自分の死の真相をわすれてしまっていたので成仏するためにも記憶を取り戻したい。しかし無理に思い出そうとするとなぜか苦しくなってしまう。
・その手がかりを探していくうちにおじいちゃんとの交流によって寂しさを抱えていた孫は徐々に心を癒していく。
・おじいちゃんの記憶を頼りに当時を知る人を訪ねて聞き込みをしながら死の真相を探っていると、ある点で何人かが口裏を合わせたように黙り込む。色んな人の回想シーン挿入。
・やがて孫の身の回りに不気味な現象が発生し、鏡に「詮索するな」という血文字のメッセージ。何者かの霊的な妨害にあう。 手がかりが行き詰る。
・そんな時、霊感のある占い師兼心霊カウンセラーの怪しいオカマ(美和明宏)と出会う。孫とおじいちゃんがオカマに気に入られる。
・紆余曲折の末、オカマの協力と新たに見つかった当時を知る人(おじいちゃんと同じ部隊にいたけど隊とはぐれて捕虜になり死刑を免れた戦友や死ぬ前に秘密を告白して楽になりたい人)との出会いを経て、おじいちゃんは自分の死の真相が司令部の無謀な作戦&致命的ミスの責任を隠蔽するために仕組まれたものだと知る(自決とされていたが、実は隠蔽のために作戦失敗の責任を取らされた形で、作戦任務にあたった部隊の数少ない生き残りがおじいちゃん含め全員死刑にされていた)。
・隠蔽工作に関わった者がまだ生きているため、聞き込みをした何人かはその人を庇うために口をつぐんでおり、既に霊となった隠蔽工作の責任者が生前の執着から己と関係者と司令部の名誉を守るために妨害していた。
・さらに、自分の死の辛さからあえて記憶を封印したことを思い出すおじいちゃん。
・おじいちゃんと隠蔽責任者がオカマのカウンセリングを通して生前の執着を断ち切り、心の傷を乗り越えたり己の罪と向き合い償っていく決意を得る。
孫は自分の殻に閉じこもらずに言いたいことをはっきりと相手(主に両親)に伝える意欲を持ち始める。
おじいちゃん曰く「俺の上官は口ではうまくモノが言えない憂さを溜め込み、部下に八つ当たりする人だった。・・・お前はあんなふうになるなよ」
・来年のお盆にはまた来ることを孫に約束し、現世での迷いが消えたおじいちゃんと責任者は死後の世界へ旅立つ
・不思議な夏休みを過ごした孫は、少し前向きな気持ちになれて、自分の殻の外へ一歩踏み出し成長していくのでした、で妄想終わり。
「帰国」の内容、要はお年寄りが「貧しかったあの頃にもちゃんと存在していた日本の礼節(精神性)は今やどこへ行ってしまったのか?」と嘆く気持ちを表現したものだろう。
「衣食足りて礼節を知る」・・・経済的に豊かであってこそ人々は礼儀や名誉をわきまえるようになると伝統的に思われてきた。が、実際はというと・・・
礼節(精神性)なんて生活に余裕があれば自然に発達すると思ってとにかく衣食だけ追求してたら、そうでもなかったらしい。例え目先の豊かさを工面する必要があるにしても、担保にするのは着物やかんざしまでにしといたほうが無難かもしれない。精神性や時間的余裕といった目に見えぬものまで担保にすれば、「衣食足りて礼節が質流れ」ってこともありえそうで。
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