ボジョレーバブル
ボジョレーヌーボー。フランスのボジョレー地方で育てたぶどうで作ったワインの新酒。単にそれだけのこと。
近年、何故かそのボジョレーの売買価格が高騰し、そして今年暴落した。話題性を仕掛けてセンセーショナルなお祭り騒ぎをしていたとき、人々はボジョレーに高い値段をつけたが、ボジョレー自身の本当の価値、本当の姿を見ていたとは限らない。それ自身の持ち味には目を向けず(ゆえにそれらは評価されず)、ただ作り上げた幻想の価値を熱に浮かされて買い求め、現実のボジョレーを味わい、そして幻滅した。
「なんだ。たいしたこと無いじゃん」
「あんなもの、値段に見合うほどの味じゃない」
そんな声があちこちから出てきた。
幻想→熱に浮かされて持ち上げる→現実を知る→幻滅してこき下ろす
こう書くとありがちな恋愛みたいだ。
本当の自分を見てもらえなかった時期。本当の自分を見ることなく幻想を押し付けられて持ち上げられていた時期。ボジョレーは確かにあまり美味しくなかった。
ヘソを曲げちゃったのかもしれない。
私も今まで試飲したことはあったけど、買ってまで飲みたいとは思わなかった。
人々が幻滅し、ベールのように現実を覆い隠す幻が滅んだ時、メッキがはげて現実が見え出した時、値段が3桁に落ち込んだ時。ボジョレーに「50年に一度の当たり年」が来た。
○エツで試飲したら本当に美味しかった。ほのかな甘さと爽やかな香り、渋すぎないぶどう皮の味が気に入って安いから買った。今年のは美味しいと思った人はわたしの周りには結構いたみたいだった。
「安くて美味しい」「素人にも親しみやすい」
押し付けられた幻想が消えたとき、ボジョレーははじめて本当の評価を得たかもしれない。
もしもボジョレーを擬人化したら。
高い時には不味くて安くなったら美味しくなる。設けたい人間の思惑なんぞ聞きゃしない。むしろ逆をやる。そんなイメージはやっぱりフランス人だろうか ?
実際はヘタレだが自分を実際よりも大きく見せて挑発し、勝手な幻想で擦り寄ってくる者や期待通りの姿を求める者達をおびき寄せ、利用するだけ利用して飽きたらわざと自ら化けの皮を脱いで幻滅させて相手の見る目の無さをせせら笑い、自分の本当の姿を見ようとする者には本気出す。ごくまれに脱ヘタレ成功。ただしごくまれに。
本当は、ありのままの自分を愛してくれる人を求めている。
カッコつけながら「ボクは真実の愛を探してるのさ」
そういう「なんちゃってフランス映画風」なイメージが似合うキャラ。
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