投影すれば、無機物だってスクリーンになる
最近、元素の擬人化や「国」を擬人化したアニメ、「駅」を擬人化したアニメ等「無機物の擬人化」が一部で人気なようだ。「元素」「国」「駅」といった無機物を擬人化したキャラクターに、他のアニメや漫画のキャラ同様、「萌え」や恋愛感情を抱く人もいるだろう。
昔から男性が車にアニマ(理想の女性像。自分の無意識領域から取り出して自我の領域に統合させたい己の個性的側面)を投影することがあるというのは有名な話。以前、車に欲情して全裸で逮捕されたイギリス人のニュースを本当に見たことがある。女性だって無機物にアニムス(アニマの男性版)を投影する時代が来てもおかしくは無い。 「結婚しなければ」という一種の縛り的風潮がなくなってきたことも一つの背景か?
恋というものが己の理想イメージや願望を相手に投影することで発生する現象であるならば、人類は「擬人化」という能力で投影対象の範囲を人間性の欠片もないような無機物の領域にまで伸ばせるくらい進化したのかもしれない。むしろ、自我や独立した意思が無い分、勝手に動いてイメージを壊されないから人間をスクリーンにするより楽である。
国を擬人化したアニメのキャラ解釈でファン同士が対立しネットの中で紛争が勃発したり、アニメキャラと正式な婚姻届が出せるように国に求めたり、キャラ設定が己の理想イメージに反したという理由で作者にリアルで復讐することさえ出来るほど人間の精神的恋愛スキルは斜め上に向かって進化し続けている。
以前、腐女子同士が「もしもエッフェル塔と東京タワーが愛し合ったらどんなカップルになるか」という話題で盛り上がる様子を知ったフランス人がおびえていたという話を聞いたこともある(笑)。 実在の駅が擬人化したキャラが生まれたことで、ヤンデレ系のファンが 「この腐れドアがあああ!私と六本木駅さんの間を邪魔するかあああ!!」みたいな気分になることも起こりうるのだろうか? 「貴様は私の新宿駅サマをゲロで無残に汚した。死ね!」とか?
三次元に興味のない人、人でない相手に恋をすることで満たされるケースが増えてきたということは、人類はアニマやアニムスという「抑圧されていたもう一人の自分」と対話することをより一層望むようになったということかもしれない。恋物語でよくある「ずっとあなたを待っていた」「生まれたときから赤い糸で結ばれていた」「他人の気がしない」はスクリーンに投影したアニマやアニムスに向けての言葉なのだろうか?
集合無意識レベルで内的対話を望む傾向・・・不安と神経症の時代(by宮崎駿)には、大きな意味を持っている現象かもしれない。
「人類は増えすぎた。環境は悪化の一途を辿り、地球は悲鳴をあげている。人類よ、人間のみをストライクゾーンとする狭き檻から抜け出すがいい!」
・・・そういう宗教が生まれたらどうしよう(笑)
「駅」がネタになるなら、アサリ(無脊椎動物)だってネタになるかもしれない。・・・ちょっとやってみよう。
アサリ「君のことが好きだから、・・・水管・・・こんなに長くなっちゃった・・・ あと少し・・・あと少しで君にとどくのに・・・! 死ぬ時は君に触れていたい。君のそばで逝けるなら、ボンゴレにされる運命も怖くない。とどけ・・・とどけ・・・出会う前から君が好きだったんだー!」
・・・萌える?
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