占い師おだてりゃ岩に登る
ひょんなことから某ショッピングモールのロッククライミング施設にて岩登り初体験。大きな岩を模したものに登る。全長10m近い。
私は初心者コース(5m?)をトライ。私の原始の本能は、身体につけたごついハーネスとナイロン製の「命綱」というものを全く信用しなかった。いくら説得しても強情なので、信用させるのは諦めた。その代わり、絶対に手を放さないぞと誓う。離したら落ちてしまうに違いない。
係員のアドバイスに従って上り始める。取っ掛かりになりそうな岩の出っ張りや隙間は小さいモノでわずか2cm程度。そこにに足をかけて(無茶言うな)、指で小さな隙間につかまって、さらにその上に手を伸ばそうとすると・・・
ズルッと簡単に足が外れてしまう。ガクッと体重が片手に集中する。
ギャー落ちる!! 本当に落ちる!!
片手と片足だけでしがみついてぷるぷるしながら祈るような思いで左手をせわしく動かす。どこ? 掴まる場所はどこ!? 力尽きる前にどこーーーーーーーー!!!!?
係員「無理なら手を離してぶら下がって休んでいいんですよ?」
手 な ん か 放 し た ら 怖 い だ ろ う が
力尽きる寸前に取っ掛かりを見つけてしがみつき、もう一度小さなところに足を置いて体重をかけて身体を持ち上げ、次の大きな足場にひざをついてへっぴり腰でよじよじしていたらいつの間にか一度も手を放さず登頂成功。感動? 安心するのはまだ早い。 同じ高さを降りなければ・・・
係「じゃ、岩から手を放してロープ持って下さい。降ろしますから」
・・・結局手を離すわけだ。ロープを凝視し、しぶしぶ両手を離し、それに掴まる。
原始の本能が耳元で囁く。今落ちた。・・・心臓に悪い奴だな。私。
そして夢か現か、ゆっくりと地面に降りていた。
係員は、初心者の私が一度も命綱にぶら下がって休憩しないことが意外だったようだ。「以前何かスポーツやってました?」「いいえ全く」
ロッククライミングで余り指は痛くならなかった。代わりに、次の日腕の意外な場所と肩が筋肉痛。
手を放さずに自力で登りきったことで何か開運につながるまいか?
ロッククライミングより、後で食べたアイスに感動した。生きてて良かった。
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