予言とカタルシス願望1
※非科学的なお話です。 お好みでBGMどうぞ↓
◆流行するカタルシス願望
カタルシス【katharsis(ギリシア)】(浄化・排泄の意)
1. 古代ギリシアの医学で、病的な体液を体外へ排出すること。瀉血(しゃけつ)。
2. アリストテレスは悲劇の目的をパトス(苦しみの感情)の浄化にあるとした。最も一般的な理解では、悲劇を見て涙をながしたり恐怖を味わったりすることで心の中のしこりを浄化するという意味。
3 .精神分析の用語。抑圧されて無意識の中にとどまっていた精神的外傷によるしこりを、言語・行為または情動として外部に表出することによって消散させようとする精神療法の技術。浄化法。
4. ジクムント・フロイトがこの語を採用したことから、カタルシスは代償行為によって得られる満足を指す心理用語としても用いられるようになった。
20世紀の日本。高度経済成長期~バブル崩壊を経て世紀末にかけて。ある有名なカタルシスが流行した。最初はマニアックな分野から発生したそれは、やがて漫画や小説や映画まで、それをイメージさせるような題材を使うものが流行った。それだけ需要があった。宗教の分野では、言うまでもない。
カタルシス。人々は、自分の内部にある鬱屈し行き詰った「壊したいもの、消したいもの、水に流したいもの」を外の世界に投影し、それを破壊することで、内なる鬱屈・行き詰まりを破壊したつもりになってすっきりしたくなる(=カタルシスしたくなる)衝動に駆られることがあるようだ。内に秘めた「破壊したいもの」がどういうものかは、破壊された後のスッキリ感がどんなイメージかによって象徴的に暗示されている。
あの頃流行ったカタルシス願望の名前を、「終末ブーム(終末願望)」という。有名どころは五島勉の「ノストラダムスの大予言」。当時ベストセラーになり、何と翌年にはこれを原作とした文部省推薦の映画まで作られている。その後も、ノストラダムスの予言を焼き直したような終末予言系の本が世紀末までに沢山出た。世紀末が過ぎてしまった現在は、それに代わるものとして最近話題の「マヤの予言」や「アセンション」、「ジュセリーノの予言」などが挙げられるだろうか。あの頃からのカタルシスは、未だに十分には満たされていないようだ。経済の分野では既に一度「恐怖の大王」が降臨したと思うのだけど、それだけじゃ願望成就として不十分なのか、その後には某宗教団体が自分たちの手で世間にカタルシス(カタストロフフィー)を起こそうとした事件まで起きた。そしたら破防法によって自分達が別の意味でカタルシス(浄化)された。強いカタルシス欲求が終末願望という形をとると、人は実際に「終末」を演出するような行動をとることがある。その例として「地下鉄サリン事件」のほか、海外の宗教団体が集団自殺をするニュースなどはこれまでに何度か報じられている。
・・・こういうのって、彼らだけでなく、テロリスト(特に自爆テロリスト)達にも通じる心理なのだろうか? 人は心の中で何かを強く思うと、意識的にだろうが無意識にだろうが、実際にそれを現実化させる(又はリアリティーを持たせる)傾向にある。人の運勢も同じ。心(無意識を含む)に強く思うものがあると、それが無意識の行動や運勢(現実)に反映されると言われている。
もしも世界中の多くの人々が鬱屈と行き詰まりを抱えてカタルシスを求め、そのためにはどうしても恐ろしげな予言の「実現」が必要だと思ってしまったら・・・?
破壊と再生は表裏一体。カタルシスの役割として、カタルシス投影の条件として、「破壊の先には新たな希望(可能性)が開ける」というものがある。心を鬱屈させ行き詰らせる何かが破壊されれば、その向こうから新しい世界がやってきて、毎日が変わる。きっと新しい気分で毎日が送れる。以前とは全く違う生き方になる。ノストラダムスの予言で言うなら「恐怖の大王が降って来た後、火星が平和のうちに統治するだろう」という部分がそれ。希望へと続く道を開くには、それを妨げ「通せんぼ」している何かを破壊しなければならない。一体、何が道を塞いでいるのだろう?
次回はこの続きで最近流行のジュセリーノの予言やマヤの予言等を例に挙げて書いてみようと思う。
予言とカタルシス願望2
参照:広辞苑と大辞泉、ノストラダムス現象。
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