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2007年5月 5日 (土)

占い師の旅路~雲南省・三江併流~その3

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昆明空港
2時間近く待っても、飛行機は飛ばなかった。待ちぼうけ。確か昨日も似たようなことが・・・嫌な予感がする。だめだめ。余計な想像はすまい。
待っている間、学生時代にチベットへ行った時のこととその後のことが色々思い起こされる。
英語を勉強中だった成都の大学生、車窓の風景、馬しか通れない道、夏の雪山、山から落ちてきた冷たい空気、風邪、高山病、よれよれになった時に優しくしてくれて、後でゲームや冗談で一緒に盛り上がった素朴な馬引きさん達(うるさすぎて山小屋管理のお坊さんに怒られたw)、小さな診療所での点滴、競馬祭、草原に広がる無数の白いテント、馬を疾走させる男達の勇姿、そこらへんに座っているとガイドブックを興味深げに覗いたり(載ってたカイラス山の写真を拝んだり)、「どこから来たの?」と話しかけて来る人懐こい通りすがりのチベタン達、突然私の年齢を尋ね、答えると満足して道の向こうに去っていった謎のおじいさん、私の水筒を酒瓶と勘違いして取り囲んだいかつい酔っ払い達(腰には短刀)、二胡の録音を快く許してくれた名前も知らないおじさん、「俺達を撮れ」と豪快に、或いはシブくポーズを決めた男達、「店仕舞いするから良ければ残ったヤツ食べちゃって」と言って激辛の串焼きをくれた屋台のお姉さん、お寺のお坊さんと小坊主達、滞在中、凄く良くしてくれた友人とその親戚の皆さん・・・
数え上げたらきりがない。みんな今の私を作った愛すべき宝の思い出。暗い発想や引っ込み思案が治り、人と交流する楽しさを知り、直感力が上がり、人を恐れず、自分のやりたいことをするのにためらわなくなった。それで自信が付いた。それがなければ占いなんて始めなかったし、占い師になるなんて考えもしなかっただろう。
今私が当たり前のようにやっていることは、あの頃収得したものばかり。今や完全に私の一部になっていてうっかり忘れていたが、思い出すことが出来た。これからもあの頃得たことは決してムダにはしない。
飛行機を待つ間の時間は、とても意味のある時間になった。色々思い返す時間が出来てよかったくらいだ。
一人で胸が熱くなっていると、お待ちかね!何とか向こうを飛び立てた飛行機が到着した!
皆続々と乗り込む。と、そこでまたトラブル発生。うーん、なかなか行かせてくれないなチベット。ある家族のチケットに不具合があり、彼らと係員との間で押し問答が続く。そのうち家族の中の小学生位の女の子が泣き出した。その後も長い間押し問答が続き、係員達はあちこちに連絡をとり、駆けずり回る。私はまたもや今までのことを思い返す。チベット旅行での体験が占いのアイデアと実行の勇気を生み出す素地になり、まずキャンパスで占いをはじめ、チベットへ行った翌年のインド・ネパール旅行でさらにその路線に磨きがかかり、タロットと出会った。
インド・ネパールでの思い出(チベット難民との交流含む)。そしてタロット占いを始めた頃の思い出、プロになってから今までの思い出。・・・それが終わるころ、チケットの問題は何とか一件落着。みんな乗り込んできた。よかったね。
飛行機が滑走路をぐんぐん走り出す。スピードが上がるにつれ、何とも言えない感謝の気持ちがこみ上げてきた。風圧が窓に付いた雨粒を吹き飛ばすと、私の目からも涙が2粒こぼれた。
やった! 飛んだぁ! 会いに行くよ。会いに行くからね。私の恩人。

 

続く

 

※学生時代に私が行った場所と同じ競馬祭の動画を発見

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