占い師の旅路~雲南省・三江併流~その7
※写真データが一部飛んでしまったので、一部に同時期に同じ場所を旅行した方の写真をリンクしてます。
昨夜のチベタン野外ディスコが心地よい疲れを生んで快眠した朝。朝食までまだ少し時間があるので、雨が降っていたけれど香格里拉の通りを散歩する。朝食を出す屋台はすでに開いていて、油の匂いが漂っていた。チベット族、白(ペー)族、回族(イスラム教徒)の屋台の前を通り過ぎ、チベットの薬草を扱う店を通過し、雑貨屋で小さなポテチを購入し、昨日行った旧市街と野良犬を撮影してホテルに戻ると丁度ご飯。
朝ごはんはバイキング方式。主食はパン、お粥、炒麺、米線などなど。ホテルお手製のゴマ入りクッキーと、魚のデンブ(?)と卵が入ったフレンチトーストみたいなパンがとてもおいしかった。
出発は9時。今日は香格里拉郊外の松賛林寺(ソンツェリン・ゴンパ) を見学した後、徳欽という街で泊まる。徳欽へ行く途中に4700mの峠があるので、「念のため」とソナムが酸素を売る店に連れてってくれた。(むしろ昨日連れてってくれ)。
松賛林寺
松賛林寺(ソンツェリン・ゴンパ)は、今から約320年前にダライ・ラマ5世が立てた雲南省で一番大きなチベット仏教のお寺。約500人のお坊さんがここで修行している。お坊さんたちの年齢は小さなかわいい小坊主から年老いた僧侶まで様々。本堂へ行き着くには、結構長い階段を上らないといけない。父はこの階段を見たとたんに息が苦しくなって来たと言う。
しかしそれでも皆何とかがんばって無事本堂に到達。写真を撮っていたら丁度お勤めの時間になったらしく、沢山のえび茶色の僧衣をまとったお坊さんたちが入り口に入ってゆく様は圧巻。私たちも帽子をとって中に入る。遅れ気味の小坊主たちが小走りに入ってくる。お目付け役の僧侶がちょっと怖い顔をして急かしている。
中では、観光客と参拝者がひしめき合い、お勤めの僧侶が勢ぞろいする前を2人のまだ若いチベタンが神妙な顔で素早く五体投地をしていった。ソナムもやっていた。チベットエリアは観光開発されても、まだまだ信仰が根強く生きている。ほとんど生活の一部。生きることの一部。私たちもそのことに敬意を表して日本式に手を合わせてみる。お寺の中は撮影禁止。
チベット独自デザインのご本尊や仏画や六道輪廻図を見学した後、私はここで5元ほどお賽銭を出してお坊さんからモニョモニョと「ご祈祷」を受け、小さなお数珠を貰った。旅のことと今までのこととこれからのことをよろしく頼んどいた。
数珠やマニ車(中にお経が入っていて、一回まわすと一回お経を読んだことになる仏具。)などが置いてあるお土産売り場で、小さなマニ車のストラップを発見。すごくかわいいのと、ちゃんと回るのに感動して思わず衝動買い。早速携帯に取り付けた。
香格里拉~徳欽
一路徳欽へ。原生林の残る山道を行く。やはり山襞をなぞるように進むからカーブが多い。念のため酔い止めも飲んでおいたし、高地順応が進んでいたし、今日は昨日同程度の高さの峠なら苦しくないみたいだ。今日も運転手のチャオシンがポップスをかけてご機嫌な運転。ノッてくると時々歌う。ソナムも歌う。二人で見事にハモる。
やがて雪が消えて晴れて来ると、原生林から背の低い潅木だけの荒涼とした風景になってくる。そこに白いチョルテン(仏塔)が立っているのが印象的。
ぽつぽつと現れる集落(最近はテレビ用パラボラアンテナが設置されていることも)や段々畑には緑が映えているから、ほっとする。チベタンはもともと半農半牧の民族だ。ここら辺は山が険しいので、遊牧民はいない。農業がメインになる。やがて長江の上流である金沙江に出くわす。ここが上海上空辺りで見た向こう岸が見えないくらい大きなあの河の上流・・・
お昼頃になると高度が下がり、谷あいの小さな町、奔子欄(ベンツラン)に出た。ここでランチだ。観光客がここでランチをとることが多いようで、土産物屋やレストランが軒を並べる。それでも日本と比べればあまり車も通らずのどか。カムパ(東チベットの男。いかつく・熱く・勇敢。昔からイケメン率が高いとの噂)のトラックヤロー、お坊さん、小学生などが通り過ぎる。ランチを取るレストランがかわいくて良かった。味もなかなか。そこらへんを歩いていた(とソナムがわざわざ報告)豚の料理がおいしい。こちらの野菜炒めは日本と違って野菜が一種類ずつで、それが幾つか出てくる。瓜の炒め物も出た。それと、ソナムがリクエストした麻辣豆腐。7年前四川省の成都で食べたものほど辛くはないが、山椒(花椒)が効いててむせた。
昼食後、さらに渓谷沿いを行く・・・スイスイ進むから気分がいい。
実は、昨日見る予定だった金沙江月亮湾と東竹林寺を今日見物出来てしまった。
月亮湾でやっと日本人(プラス日本語ガイドのチベタン)と出会う。私たちがこれから行く徳欽にて梅里雪山がばっちり見えたとのこと。これは期待できるかな?
東竹林寺は雲南のチベットエリアではやはり重要なお寺。現在増築中だった。本堂中庭で写真撮影のためにちょっと別行動をとって合流する時に、一人のお坊さんが親切にも誘導してくれた。それを見た増築のための大工(お調子者)がチベット語で冷やかす。お坊さんの反応を見るに、多分「坊主が女連れてるw」みたいなことを言ってるみたいだ。
東竹林寺を後にして、道は高度を上げ、雨雲に入っていった。真っ白で何も見えない。けれども、寒さから高いところを走っているのが分かる。酸素を買ったが、苦しくなくてよかった。とちゅうから舗装されていないがたがた道に。どうも石畳らしい。途中から空気の薄さも手伝って、私たち3人は眠ってしまった。それでド派手なデコトラを撮るチャンスを逃がしたのが悔やまれる。ボディーに独特のペイントと五色のタルチョ(経文が描かれた万国旗みたいなもの)が屋根から両側のミラーに張られていた。
眠っているうちに徳欽すぐ近くの梅里雪山が見える展望台に到着。しかし今日は雲で山が隠れている。明日に期待しよう。
徳欽
徳欽着。ホテルは彩虹大酒店。こっちではかなりいいホテル。私たちの部屋はメインストリートに面していて、向かいのCD屋からチベット語の歌が流れていた。ここで、昨日立てた「チベット人の遺伝子には音楽に脊髄反射するプログラムがある?」と言う仮説を更に強める出来事が。電源兼用のカードキーの説明をしに来たチベタンの従業員(もしかして10代?)がなぜか途中からそわそわし始め、カードキーの説明を終えて「それじゃ」と部屋のドアを閉めた瞬間、「○×△□☆ー♪♪!!」
彼は向かいのCD屋から流れる歌に合わせ、廊下中に響く声量で気持ち良さそうに歌いながら去っていった。母と2人で爆笑した。チベット人のこういうところが、7年前から大好きだ。
屋に荷物を置いたら早速街を徘徊。徳欽は谷に広がる小さな町。昔は茶馬古道の要衝。現在は観光地へ行く中継地点。小さな町だが、大きいスーパーマーケット(中国語:超市)があり、品揃えも充実している。
徘徊していると、チベットの楽器「ダムニェン」を引っさげて、身一つで勝手に食堂などへ入り込み、ベンベケ弾いておひねりGETを狙う2人組みを発見。通行人も足を止めて(おひねりをせびられないように)こっそり聞いている。私もこっそり聞いている。目が合ってニヤリと共犯者の笑い。
夕食はやっぱり野菜炒めと肉料理(スペアリブ)が一品。それにチベットチーズの包み揚げが出た。なぜかチャオシンがスペアリブの料理に興奮している。「食え食え」とばかりに、しきりに私たちのお椀によそってくれる。わんこスペアリブ。そんなに凄いの? この料理。それとも、個人的に物凄く好きなの? 多分その両方。確かに味は良かった。
今日のスケジュールでパンフレットに載っていた明日の分の観光を済ませてしまった。明日はどうなるかな?
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