人間を楽器に例えた恋の話(前書き)
※かなり堅い話です。
人間ひとりひとりを、それぞれ固有の音色と演奏方法を持つ独自の楽器だとする。しかも、自力で演奏する楽器。さしずめ演奏は人生や生き方,ライフスタイルといったところだろうか。
それぞれの楽器にはそれぞれの個性があり、それが音色や音階、音の大きさ、長さ、高さ、低さといったものだとする。言わば、それぞれの楽器に固有周波数のようなものがあり、どれ一つとして同じ固有周波数を持った楽器はこの世に存在しない。同じ楽器はこの世に二つとない。
その楽器の個性を生かしていかに良い演奏が出来るか。その楽器にはどんな音楽ジャンルが向いているか。合奏するなら、どんな楽器との相性が良いか。その楽器とのセッションで、どんな素晴らしい演奏を生み出すことが出来るのか。互いに世界で一つしかないその楽器同士ならではの、素晴らしいセッションとは・・・
ある楽器が素晴らしい演奏をしたとする。その楽器は、自分が素晴らしい演奏が可能な楽器だと知る。しかも、同じ楽器はこの世に二つとない以上、あの素晴らしい演奏が出来るのはその楽器だけ。独自の素晴らしい演奏が出来ることは、楽器にとってはこの上ない幸せなのだろう。
そんな素晴らしい演奏をする楽器を愛する者、その楽器の魅力に恋をする者もいるだろう。そんな彼らもまた楽器だ。
素晴らしい演奏をするには、何が必要なのだろう?
まず、自分という楽器がどんなモノかを知る必要がありそうだ。どんな音色をしていて、どうやって音が出るのか・・・叩く? 吹く? 弾く? 音階は? どんな演奏方法があるのか、音の大きさ、長さは? 固有周波数はどこからどこまで? さらには、どんな環境で保管し、どう手入れすべきかということも関係してくるかもしれない。
楽器が己を知ることは、自分がどんな可能性を秘めているか探り出すことへつながって行けそうだ。
この「自分を知る」ということ。基本的なことでありながら、結構難しい。自分のことを、知っている・わかっている「つもり」になっていたという経験はないだろうか。
自分の楽器を勘違いしていたり、他の楽器にあこがれて、本来とは異なる無茶な奏で方をしたら壊れてしまったり、いい音が出なかったり。はたまた合わないジャンルの曲を演奏していることに気付かず、持ち味を生かせなかったり。
自分がトライアングルだと思い込んでいる陣太鼓。
バイオリンを木琴のバチで叩いてはいけない。
チャルメラでボサノバは、微妙。
それぞれの持ち味で意外な可能性が開けたケースもある。相性が合わないと思われていた尺八とオーケストラが立派にセッションしている曲が生まれたり、ロドリーゴの手にかかればギターとオーケストラで名曲が生まれ、木魚がボサノバに違和感無く溶け込んでいたり。エレキギターと沖縄のサンシンでイイ曲が生まれたり、笙とピアノの曲もある。
自分という楽器を理解し、個性を生かした演奏を知って始めて、自分と相性の良い楽器が何であり、その楽器とのセッションでどんな素晴らしい演奏を生み出すことが出来るのか、ということもわかるのかもしれない。
逆に、自分を理解し、自分の良さや持ち味を理解するという経験がないと、他の楽器が実際どんなもので、その良さや持ち味が理解しづらいということがあるかもしれない。「楽器を理解する」という経験が無いわけだから。
私の占いの恋愛相談によくあるパターンで、恋の悩みをカードと会話で辿っていくと、悩みの根が恋愛とは異なる領域に出ることがある。本人が漠然と感じていたけれど、言葉にしようとするとまとまりの付かない心理。
このブログの次の記事で、そんな恋愛相談にありがちなパターンをもとに、登場人物を楽器にした恋の物語を書いてみようと思う。
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