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2005年7月11日 (月)

無意識の検索~恋人たちの悩み~

人間、生きているうちに何かを選択する/何かを決めることがいくらでもある。ささいなものからこれからの自分を左右する大きなものまで。その際、どうしても決めかねるときに占い師に相談する人もいる。私は占い師として相談を受けると、まずのその人の話を聞き、その後で本人の無意識(或いは深層意識とか、ハイアーセルフという人もいるかもしれない)の領域から本人が本当はどちらに行きたがっているのか、何に意識を向け、どんなことを望んでいるか、といった大まかな傾向を引き出すためにタロットカードを使って検索作業のようなことをする。そしてカードに象徴的に反映された検索結果を本人に伝える。稀に「情報不足」と言う意味のカードが出ることもある。それは、本人が結論を出すには更なる情報や経験が必要であることを示す。結論を急がねばならないときは、速やかにそれを手に入れる必要がある、ということだ。
基本的に、その人が自分の中でどうあるべきかの結論を出す手伝い、というのが選択に迷った時の占いだと思って欲しい。決して占いが自分の代わりに正しい選択の答えを具体的に示してくれたり、占いをすれば自分は何もしなくても答えを保障してくれるとは思うなかれ。「どうしたいか」の真実はあなたにしかわからない。
これは結婚(恋愛)に悩む女性達にもしばしば共通する問題らしい。恋人や夫が自分の代わりに自分が満足する人生を創って欲しい。満足することをして欲しい。けれど、どんな人生なら自分が満足するのか、自分はどんな生き方がしたいのかは自分にもわからない。或いは自分が恋人とどんな付き合い方をしたいのか自分でもわからない。こんなパターンが隠されている悩みがよくある。このパターンに気付かぬまま「本当にこの人でイイのか?」という原因不明の不安を持つ男女もいる。マリッジブルーのような状態や、結婚が怖いという気持ちとも関連するかも。
自分がどうしたいのかわからないまま相手のペースに流されてしまい、不満だけが沈殿してゆく。相手は相手なりに恋人にとって良かれと思うことをしてみるけれど、それはあくまで相手が考えたことで、自分の満足とは違っている。不満が一定量に達した所で、こんな会話がなされることがある。
「どうして私をわかってくれないの?」
「君はどうしたいの?」
「何で私がいちいちそんなこと説明しなきゃいの? 私のことを愛しているなら言わなくてもそのくらいわかるでしょ?」
私以上に私のことを理解して、私の幸せを創って欲しい。幸せにすると保証して欲しい。そんな気持ちを抱えながら、自分にとっての幸せが何かわからずに焦る気持ちがカードに現れるケースもかなりある。「不満はあるけれど、どうしたいかがわからないから気がつくと文句ばかりになってしまう」「不満ばかり言うわけにもいかないからいつも我慢している」
そんな人には、まだチャンスがある。少なくとも、「これは自分の望みとは違う」ということはわかるのだから。文句や不満は裏を返すと無意識レベルではどうしたいかが漠然とでもわかっているからこその現象だ。まとまらず、自覚しにくい自分の気持ちに対しては、「好きなこと・興味のあること(したいこと)」「嫌いなこと・なりたくないこと(したくないこと)」をそれぞれ思い浮かぶままノートに書き出してみることをおすすめする。心境の変化があればその都度新たに書き出してみる。書き出されたものをその都度分析することで自分の傾向や移り変わりを知り、気持ちをまとめるのに役立つ。自分の良い面も悪い面もわかるかもしれない。

なお、上記の会話にもある「言わなくてもそのくらいわかるでしょ?」は女性が明らかに自分の答えを持っていて相手を試す時にも使われるセリフなので、男性諸氏は注意されたし。

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