Hの低年齢化
性教育うんぬんとか、初体験の低年齢化とかがメディアでも時折話題に上りますね。Hが低年齢化してるから、避妊の知識も早いうちから教えないと、と言うことのようです。確かに、するならあらかじめ正確な知識を知っておいて間違いはないでしょう。ただ、最近の傾向だと「避妊の知識を教えた=あなたはそろそろHをする年頃ですよ」って意味ではないということをまず明示しておかないと、中にはとんでもない誤解をする子供が出そうです。いや、既にいるみたい。「中学生のうちに初体験は済ませたほうがいいらしい」「自分だけ遅れてしまうのは嫌だ」って・・・「早い方がいい」という風潮があり、それに対する強迫感のために済ませちゃう子もいるみたいですね。他に私が10代の子達の性の悩みに関する占いの相談で受けたもので多かったケースが、相手から求められた時に自分はまだそこまで想定していなかったものの、「嫌われたくないから」という理由で心が未熟なまましてしまう子。同じく未熟なケースでは、「SEXの相手がいない=自分に魅力がない=自分は愛されない=自分は価値が低い」なんていう考え方で強迫感とコンプレックスを暴走させ、出会い系で知り合った行きずりの男と済ませてしまう子。「身体」を愛情の代償として考えている子、或いは「身体」を切り札にして愛を求める子・・・ どれも、後で自分の心身をひどく傷つけるかもしれません。
具体的な年齢や性別を問わず、メンタルな意味で相手と交際する上でHが何を意味するのか自分なりに理解しており、それ自体に意義(価値)を見出せるようになり、更にリスクや避妊や自分の行動に責任問題を含む相応しい知識と準備が出来ることがまず前提でしょう。無論相手も同じ前提をクリアしていることが自分にとって相応しい相手であることの前提です。性教育で取り上げられる「知識」というのは、そういったことが出来るように応援する知識であるともいえます。それは裏を返せば、本人にとって後悔する判断や相応しくない結果を防ぐための知識でもあります。
とはいえ、知識はただの「知識」。自分にとって、その「知識」を実際に役立てるには、いつがふさわしい時か。誰がふさわしいか。「ふさわしくない結果」とは、何か。それらが自分の中で分かるように育てることが、「教育」かも。
この、「ふさわしい相手」と出会い、「ふさわしい時」を迎える時期というのは当然、一律にくくることが出来ません。中学生の時点で既に「ふさわしい時」が来ちゃったり、「ふさわしい相手」ができちゃったりほど心身が成熟している場合が絶対に「ない」とは言いません。でも大半はそこまで大人じゃありません。それ故に流行(一律化され、時に成長途上の子供にプレッシャーを与えるような風潮)で自分の「時期」や「相手」を決めてしまう、流されてしまうという、ある種の「ふさわしくない結果」を招く危険が・・・ここら辺、性教育で何か出来ないものでしょうか?
自分のことは自分の中から答えや結論を引き出し、それに責任を持つ必要があります。それが大人へ成長していく上での一歩です。時期や相手は教育で一律的に教えることが出来ませんが、教育で「自分の中から答えや結論を見つける。それに責任を持つ」という発想に目を向けさせることは出来そうです。それが、成長を促すと言う意味では教育と言えるのではないでしょうか。
性教育で大事なことは、避妊などの物理的な知識だけではなく、自分に責任を持ち、自分で自分の性についての考えと理解を持ち、現時点での自分の答えを持つということを促す点でもあると感じます。
以前、某匿名掲示板にショートストーリーを載せたのですが、そこで私は語り手の主人公に十代前半の女の子に対してこんな見解を持たせました。引用すると、「心身ともに未熟なうちからの行為は、行為そのものに 愛を見出すのではなく、行為の代償として愛を求めるようになる。いつのまにか、 (愛を得るために)自分の身体を切り札にし始め、思い通りの効果が得られなければ勝手に自尊心を貶める。」
占い師をやってて気付いたんですが、実はこのパターン、大人の女性にも当てはまることみたいです。また、時には肉体関係に限らず、恋人と交際していくうちに、愛情よりも何らかのストレスが上回るようになると、無意識にストレスの代償として愛を求めてしまうことがあるのではないでしょうか。俗に言う、「執着」ってヤツです。「私はあなたの為にこれだけの事をしている(これだけ犠牲になっている)のだから、それに見合う愛を貰うまでは離れられない」
年齢・性別はどうあれ、それ自身に相応の絆と価値、そして時期を見出せず、代償が必要な結果になる肉体関係。或いは、何かの代償に愛を求めるような交際。どちらも不毛ながら、人類の歴史上、非常に古くからあるテーマのようです。
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