アルフォンス・ミュシャ展
11日は上野美術館のアルフォンス・ミュシャ展へ。アルフォンス・ミュシャは知る人ぞ知るアールヌーヴォーの巨匠で、19世紀の終わりに様々なポスターや舞台装飾を手がけた人。出身はチェコ・スロバキア。
ミュシャは作品にたおやかでふっくらとした美しい女性を描いている。そして、かなり年をとってから20歳も年下の教え子の女性と結婚。彼の作品と生涯を知って、恐らく彼のタイプは「内気で気の弱い乙女座みたいなアーティスト」ではないかと思った。若い頃は内気で繊細で、女性と面と向かって口を利くのが苦手だったのではないかと思う。特に、気になる女性を目の前にすると赤くなってしどろもどろになってそうだ。で、若い頃はもてない。しかしその分、自分の手の届かない女性に対する憧れは女性のイメージを現実離れするほど理想化させ、「自分の求める完璧な女性像」は女神の様になっていく。そんな幻想が作品に反映され、人気が出る。女性に対する理想が高くなればやっぱり結婚相手は見つけにくい。そうこうするうちにおっさんになってしまったが、ある日自分が絵を教えていた20歳年下の女性が、自分の長年追い求め、夢見ていた女神だと知る。そしてとうとう彼女と結婚。という流れを勝手に空想した。歳の離れた親しい女性であれば内気な彼も面と向かって気持ちを打ち明ける事が出来たのだろうか? ・・・ここらへんは微妙。ミュシャは自分の妻や二人の間に生まれた娘と息子も作品のモチーフにしている。とくに妻をモチーフにした作品は美しく、人気が高い。その作品からは確かに愛情を感じるのに、何故か後に愛人を作っているのはちょっと理想の女性像を追いかけすぎなのかもしれないと思った。
個人的な邪推はさておき、上野ではまずいろんなポスターや、タバコ、ビスケット、シャンペンなどのパッケージを鑑賞。その中で「ゾディアック(黄道十二宮)」という作品を目の前にして鳥肌が立った。12星座をモチーフにした背景に冠を被った女性の横顔を描いた作品だが、これは直に見なければ私の感じた鳥肌を理解する事は出来ないので、是非実際に見てください。
彼の描いた油絵というのも発見。これまたポスターとは違う色使いで大変美しい。晩年は油絵で壁画を描いたり、プラハにある教会のステンドグラスも手がけたらしい。
先ほど書いた十二星座の絵を見たときから、「どうもこの人はただ者ではない(当たり前だ)」と思っていたが、やっぱりただ者ではなかった。なんと、彼はフリーメーソンの一員であり、メーソン協会のメダルもデザインしている。しかも、自分の地元にフリーメーソンの支部(ロッジという)設立にも深く関わっている。ぬう。恐るべし。さらに、ミュシャは彼独自の哲学から、意味深で謎めいた言葉を残している。それは。
「理性と愛とは両極であり、その二つに調和をもたらすのは英知のみである」
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