結婚相手より生き方をさがせ?
※かつてご好評いただいた記事を再放送的に一定期間だけトップページへ載せています。
多少読みにくい文章ですが、駆け出し占い師だった当時の原文ママです。
私が占いをやっていると、いわゆる「負け犬(30代・未婚・子なし)」と巷で呼ばれる人たちや、もうすぐ負け犬の年齢に当てはまりそうな人からの結婚についての相談は多い(占いをしないだけで、男性にもこういう人は多そうだが)。彼女達の悩みの大半である「結婚相手が見つからない」。これ、相談者の何割かは「結婚相手が見つからない」というより「そもそも結婚への意欲が見つからない」と言う方が正確。相談者の中には混同している人もいる。結婚相談所にでも登録してお見合いをすれば結婚相手は探せるのだろうけれど、そもそもお見合いをする気が起きない。お見合いで先方が乗り気だが自分の気が進まない、という状態を繰り返す場合もある。お見合いをせずに何とか結婚相手を探そうとして果たせない場合もある。いつかは結婚したいが今の恋人とは結婚したいと思わない。じゃあ誰と結婚すれば良いのか分からない、と言う場合もある。
相談者たちの共通点としては「結婚したくないわけじゃないし、いつかは結婚したいけど、いい人(結婚の意欲と目的意識を与えてくれる人)が見つからない」ということだ。そして、家族や親戚からはいつ結婚するのかとせっつかれたり、「理想が高すぎる」と言われたり、せっつかれなくても、「このまま結婚できなかったらどうなるんだろう」という焦りや不安、プレッシャーを感じる人達が占い師に相談する。「いつごろいい人が現れますか?」「私は結婚をあきらめた方がいいのでしょうか」「どうして私はいい結婚相手とめぐり合えないのでしょうか?」
この世には、運命によって予め「結婚できない」と人生を定められている人がいるわけではない。逆も然り。
上記のような相談者達を占ったときにカードが示していたもの。それは、人生全体の一部分である「結婚」ではなく、生き方そのものにかかわることだった。
結婚を焦る彼女達の心理を占うと、「結婚そのものがしたい」「家庭を持ちたい」という思いよりも、「結婚が結末になっているシナリオの想定から外れる不安」から結婚を焦っているようだ。「このまま結婚できなかったら自分の未来はどうなるんだろう」「今後の人生がわからない」という焦りや不安、プレッシャーを早く解消したくて(それが目的で)、「結婚」がそのための単なる道具になっていることに気付かない人が結構いる。結婚が「道具」である以上、結婚相手もまた「道具」になってしまう。それはまだ、伴侶の愛し方を知らないということ?
結婚相手が現れない理由。それは、本人の本音が「将来へのプレッシャーや不安を解消したいだけ」でしかなく、実際は結婚の意欲がないから。本気で相手を探す気は無いから(そういう人達は、お見合いには消極的で合コンを繰り返すことが多い。合コンさえすればいつか運命の人と出会えるのだと無理に自分にいい聞かせるケースも)。「いい人が現れなくて結婚できない」よりは「結婚したくないのでいい人とは思わない」に近い。「結婚したいと思える人が見つからない」よりは「結婚の意欲が見つからない」に近い。
彼女達の焦り、不安、プレッシャーは、「自分がどんな生き方をしたらいいのか」というテーマにもつながっている。自分にとって有意義な人生とは? どんな生き方をしたらいいのか分からなければ、自分にどんな結婚が向くのかも分からない(結婚が向いてるのかも分からない)。どんな相手が良いかもわかりづらいだろう。自分にとってのイイ生き方がある程度分からないと、本当にイイ結婚、イイ相手を得る運勢の材料も足りない。そもそも結婚が自分の人生を有意義にする適切なものかどうかもわからない。結果的に、結婚の意欲や目的意識を自ら作れない。
「理想が高い」と見られがちな人は、「自分の生き方に合う相手がわからない」もしくは、「生き方の分からない自分の代わりに将来を背負ってもらうには、完璧な人間でなければ不安」という心理がカードに反映されるケースも多い(これだと相手に向けられる感情は愛情ではなく依存感情)。
人生をどう生きようか分からない不安やプレッシャーは、ただ結婚するだけじゃなくならない。結婚相手はその不安をぬぐえないし、背負えない。漠然とした未来への不安は結婚で誤魔化せない(誤魔化したいけど)。お見合いを含め、「結婚相手が欲しいけれど、相手を探す意欲はない」という人は、無意識にそのことを知っている。
不安を誤魔化す手段(道具)でしかない結婚をした場合、その結婚で生じる「家庭の運営」にどれほどの喜びや充実感をもたらすだろうか?
結婚を望むのは、すなわち幸せな生き方を望んでのこと。「結婚」はその手段の一つに過ぎない。「結婚さえ出来れば幸せな生き方は出来なくてもかまわない」と考える人は今の時代、あまりいないだろう。
自分の内面の性質や傾向に適した生き方は何か。そもそも自分の性質や傾向とは? その幸せな使い道は何か。現時点で自分が知っている範囲だけが「自分」の全てなのか。「結婚」という手段に限定せず、そもそも本当の自分は今どのような生きる幸せを掴もうとしているのか・・・カードは彼女達にそんなことを問いかけていた。
人は時に「愛する者」に隠れた自分自身(隠れた希望)を投影する場合もあったりもするから、それを追い求めたが故の恋だって存在する。その恋の中に、自分の本当に望む生き方のヒントが隠されているかもしれない。それを無意識に投影したからこそ、その人を好きになったり、そういうタイプが好みのタイプになっているのかもしれない。
「どう生きればいいか分からない不安から逃れる」という願望を誰かに投影して好きになっている場合もあるだろう。「この人と結ばれれば何もかもうまくいって良い生き方が分からない不安から逃れられるかもしれない」という動機でお相手との結婚を考える人だっているかもしれない。自分の幸せがどこにあるのか分からない不安をそんな空想で誤魔化す(空想に逃げる)ことを選び、その手段としてお相手と結婚した挙句、「これは私にとって本当に良い生き方じゃない(幸せじゃない)。何が良い生き方が分からない不安は依然としてそこにある」という現実に直面して(不安から逃げるための手段では不安を誤魔化し切れなくなって)「こんなはずじゃなかった」と占い師に相談する例もある。
言うまでもなく、「生き方の分からない不安から逃げるための結婚」という選択では自分の本当の幸せを掴めない。自分と相手、双方共に本当の幸せを掴めない事になる。幸せな結婚は、片方だけの満足では成立しないからだ。
現代は「結婚こそ女が幸せを掴む唯一の手段」とか「結婚市場において25歳以上の女性は売れない(商品価値が暴落する)」「結婚こそが人生のゴール」「保守的な風潮や思想から外れた人生は不幸」と考えられていた時代とは違う。過去のプロパガンダ的な価値観に縛られていないか要チェック。
他人を変に当てにせず、他人からも左右されず、風潮や不安に縛られず、結婚うんぬんとは関係ない・限定しない・拘らないところで自分の充実感のカタチ(自分の性質)を色々知って発掘しておくのも悪くなさそうだ。因習や固定観念や狭い視野、不安や古くて狭い価値観や先入観を取っ払い、その時その時自分に本当に一番しっくりする道(もっとも意欲的になれる道)を正直に自覚し受け入れ選んでいたら、自然に調和の取れた人生になっていたり、振り返ると自分の傾向や事情がわかったり、はたまたある時は自分が本当にしっくりする道を選んでいった結果、たまたま自然に結婚する方向へ至ることもあるだろう。道を選び、それを歩んでいった経験は、必ず未来で花を咲かせる。未だ見ぬ花を。
そういう経緯での結婚なら、結婚が不安の誤魔化しではなく本当に幸せな生き方のカギになる日が来るかもしれない。
そういう経緯での結婚は、例え何歳になっていたとしても(それこそ老人になっていたとしても)、自分にとっては偽りなく本当にしっくりする道になっているかもしれない。
では、今の自分が本当に望んでいる(一番しっくりする)こととは一体何だろう? もしも結婚が単なる精神安定剤や「ごまかしの手段」であった場合、嘘やごまかしではない本当の望みは?
その時々のテーマで自分を知ったり自分に相応しい生き方が出来れば、自分の幸せに適した手段を選べていれば、結婚する人生も結婚しない人生も等しく幸せだろう。自分という楽器を理解していき、それを生かして幸せに弾きこなしていけるなら、その演奏の可能性が結婚であろうがそれ以外だろうが、演奏ジャンルを問わずそれは幸せなのだろう。
自分を知りえることがとても重要かもしれない。自分を発見していくことが、自分の可能性を発見し自分を変えていく事につながることもある。
子供や伴侶との愛を育みながら作られる豊かな家庭・・・相手も同じくその家庭に己を生かし充実感を持てる生活・・・それはさながらお互いが異なる個性と可能性を持つ楽器で、二人で合奏することでよりその楽器の可能性が広がり、楽器の持ち味を生かしあって「家庭」という曲を豊かにしていくようなイメージ、相手に完璧を求めるのではなく、二人が己を生かし連携して一つの新たな可能性を作るようなイメージだろうか。
そして、その家庭にどんな子供が生まれるか(その曲にどんな楽器が参入するか)、その結果家庭や各自の人生にどういう展開があるのかは、結婚相手のように「選ぶ」ことが出来ない。それは未知の可能性。全く新しい己の生かし方を知るチャンスにさえなるのかもしれない。無限の可能性には、結末が見えないものだ。
自分が求めている変化や可能性が、自分自身の内なる奥底で人知れず静かに発生し引き出されるような、自分ひとりのごく個人的なタイプのものなのか、それとも「相手」とのやり取りや組み合わせや連携(楽器なら合奏)によってはじめてなしえることで、自分ひとりではなしえない可能性と変化を探るものなのか。
自分ひとりでなすべきテーマか、相手も変化と可能性を得ていく相互のテーマなのか。テーマが導く新たな流れを感じ取ることは、顕在意識と無意識との間に隔たりがある分、少々難しく感じられるものかもしれない。そんなつかみどころが難しいテーマに取り組むほど人生経験を重ねてきた年齢の女性達にスピリチュアルなものが流行る理由が何となくわかる。
単なる結婚相手探しではなく、その背後にあるテーマ。そのテーマは奥深く難しい分、取り組みがいのあることなのかもしれない。そのテーマには、タイムリミットなど存在しないのだろう。そのテーマに基づいて深い領域から導き出された「結婚という結末」には、賞味期限などない。
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