買い占めパニック再来
「トイレットペーパー不足デマの発信元はこの人!」→というデマが流れて個人叩きに
311の時も首都圏を中心に、被災地でない場所で買い占めパニックが発生した。「バカな買い占めパニックで品薄になってる。今はストックがあるけど将来補充したい時になってもバカな買い占めパニックのせいで手に入らないかもしれないのが不安だから今のうちに私も買っておかなきゃ!」という不安に駆られて自分がバカにしていた買い占めパニックに自分も巻き込まれていく人達が非常に多かった。それがさらなる買い占めパニックの拡大に拍車をかけ、自宅に大量の在庫を抱える人がいる反面、本当に必要で本当に補充したい人には行き渡らないという事態を招いた。今回もその傾向があるようだ。逆に、今とあの時の大きな違いは、困っている人を支援しようという発想が大衆心理の中に乏しいという点だ。不安にさいなまれている自分自身が「困っている人」だからかも。
買い占めパニックの背景には「物資不足への怖れ(飢えの恐怖)」ということの他に、大衆の内面では個々人が抱えるそれぞれの「物資不足に投影し混同した別の不安感」があり、しかしそのことに無自覚なので「物資不足の不安を解消すればこの不安は解決する」と思い込んでしまったこともあるのではないかと思えて来た。
「新型コロナウイルスに投影した無自覚な別の不安感」が混同されることでウイルス恐怖が増幅されデマやフェイクニュースに踊らされる現象と同じことが買い占めパニックでも発生しているのかもしれない。
また、「こいつがトイレットペーパーが不足するとかいうデマをまいた張本人だ!」というデマを信じて無関係な他人をつるし上げ個人情報を晒したり自宅に嫌がらせが来たりする事態も発生している。トイレットペーパー不足のデマに惑わされた行動をとる人も「こいつがデマの犯人」というデマに惑わされた行動をとる人も本質的には何も変わらない。きっとフリー〇ーソンとか悪の組織とかから見れば「扇動しやすい愚民共(黒笑)」に見えているに違いない(陰謀脳)。
それと同時に、311発生時に書いた「心の飢えが本当の飢えを招く」という記事も思い出す・・・「本来は存在していない飢え」への不安が「買占めパニック」という奪い合いの戦いを生み、 その戦いが本当の飢えを生み、本当の飢えが不安による奪い合いの戦いを更に深め拡大させ、 更に飢えが深まり拡大する悪循環。それは戦争が貧困を生み、貧困が更なる戦争を生んで来た人類史の縮図。 いつしか人類は、飢えや飢えの恐怖すら武器として利用し時に依存するようになった・・・
とにもかくにも、このような時期だからこそ、今まで抑圧してきた「考える力」の封印を解くことが大切だ。
「ウソに惑わされず、客観的な思考と観察をする能力(=真実を自覚する力)」は誰の中にも眠っているのだ。それは、デマに惑わされないようにする効果だけではなく、自分自身をウソの不安で惑わすことから卒業させ、本当の不安の正体を自覚させることにも役立つのだ。
不安の正体を探ると・・・←かなり前に書いた記事だが、今のような時期にも役立つ部分はあるだろうか?
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