曽祖父の見た海
時は明治の前半期。とある田舎の小さな島で生まれ育った「出来の良い」少年は、これからは産業の土台に電気が必要な時代が来ると考えていて、当時国中で最も電気技術が進んでいた東京へ行きたい気持を捨てきれなかった。
当時の島民にとって、東京はとても遠かっただろう。貧しい庶民には路銀を作ることさえ難しい。けれど少年の情熱は日に日に大きくなっていった。
そしてある日のこと。周囲が引き止めるのも振り切って、少年は「歩いて」東京へと旅立ってしまった。
野宿を繰り返し、畑の芋をこっそり頂戴し、道に落ちてる壊れたワラジを修理して取り換えながらの長い旅。良い子はマネしちゃいけない。
そして、少年はついに品川へ到着。その時、彼は風流にも品川の土手に寝転んで俳句を作った。その句が今も残っている。
「土手枕 江戸の入り江の 月見かな」・・・この上なくストレートな性格が表れているw
紆余曲折の末、少年は自分の願いを叶えた。
そんな少年が、私の曽祖父である。初めてこのエピソードを聞いたときは思わず吹き出した。彼の無茶な冒険が成功しなければ、私はこの世に生まれ得ないと思うと感慨深い。
少年期から科学の最先端を志したひいお祖父さんが非科学の最先端にいるひ孫を見たらどう思うだろう? などと思うと一瞬だけ妙に申し訳ない気分になったw
ひいお祖父さんは没後、本人の希望により故郷のお墓に眠った。そして今回、初めてひいお祖父さんの故郷を訪れ、お墓参りをした。
現地はダイビングスポットとしてちょっと知られた島。ひいお祖父さん、こんな美しい海を毎日見て育ったのか。浅瀬の透明度に思わず飛び込んでみたくなってしまった。が、明るい色してても結構深いらしい。早まらなくてよかった(ほぼカナヅチ)w
ともかく、行って良かった。
帰りに「カツオ人間」のシールを衝動買いしたw
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コメント
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豪快で素敵な曾祖父ちゃまですね♪綺麗な海♥瀬戸内のほうでしょうか??曾祖父ちゃまが帰りたくなるのもわかります。良い旅でしたね(^-^)
投稿: ぷうまま | 2013年5月16日 (木) 07時44分
>ぷうままさん
色々と型破りだけど愛された人だったようです。
場所は瀬戸内ではないんですが東京から見ると西の方角なのは確かです。
一応詳しい位置は伏せておきます。
投稿: AYA | 2013年5月16日 (木) 16時50分