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2009年12月12日 (土)

平和への願い≠平和じゃないことへの憎しみ

※あくまで一個人の見解です。

「正当な戦争」失望と憤り=オバマ氏受賞演説、被爆地に波紋

オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した。その時の演説で、「平和維持のために時に武力も必要」といった内容があったために被爆者の皆さんに波紋を投じた。オバマ氏の戦争を肯定的にとらえる姿勢が問題視された。
リンク先の記事(時事通信)が被爆者達のインタビューを取り上げている。

アメリカが「世界の警察」と揶揄されるように、建前上のアメリカ視点だと、アメリカのやる戦争は「治安を脅かしている者を警察が銃を使って取り締まる」位の感覚なのかもしれない。この視点だと、戦争を非難することは警察が武力を使うことを非難されているようにうつるかもしれない。建前上は。(警察は犯罪を泥沼化させたりテロを誘発したりしないけど)

「戦争をやめさせるために戦争している当事者を攻撃する」
「平和を訴えるために戦争している者達を攻撃する」
これは武力で攻撃するのか武力以外の方法で攻撃するかでイメージがだいぶ変わるように見える。
だが、「攻撃的な者を攻撃する」という点で、どちらも同じ穴のムジナかもしれない。
「平和のための戦争」「平和のための攻撃」・・・
「誰かを攻撃する」という手法を使う時点で、多分争いは解決しない。
憂さが晴れ、溜飲が下がるように見えるだけかもしれない。 何かを憎み攻撃するのは、それだけ深い傷があるということか。もしそうなら、その傷が癒えて痛みがなくなれば、憎み攻撃する必要はなくなる・・・?

酷いトラウマを背負いつつも感情的にならずにいられる広島の山田さん(リンク先参照)は立派だと思う。

太平洋戦争当時空軍にいた人が広島に訪問し、(多分プロデューサーによって)呼び集められた老いた被爆者達の何人かが彼に辛い感情をぶつける様子が数年前の某民放で報道された。空気が平和じゃない感じだった。悪趣味な企画(やらせ?)かもしれないけど。
被爆者たちも心の傷があまりに辛いから傷を連想・投影させるものにはつい感情的になって攻撃するのだろう。そして攻撃すると平和じゃなくなる。
(ちなみこの元軍人は、被爆者の苦しみを知った上で『謝れ』という彼らの訴えに『気の毒とは思うが謝れない』と回答)

被爆者達ははたしてちゃんとしたメンタルケアを受けているのだろうかと思う時がある。「平和を語り伝えるためには当時の苦しみを忘れてはいけない。忘れないためには何のケアも受けずにずっと苦しみの時間を刻み続けなければならない」なんてことは決して無いはずだ。心の傷をケアすることと実体験に基づいて平和を訴えることは、両立すると思う。
長い間抱えてきた心の傷がそう簡単に「治る」とは思えないが、必要以上に感情的にならずに(むやみに感情的になって苦しまずに)済むくらいにはなるんじゃないかと思う。
実体験に基づいて平和を願い、願いを訴えることにエネルギーを注ぐのは建設的で立派なことだと思うが、実体験に基づいて平和じゃない状態を憎み、その憎しみを訴えることにエネルギーを注ぐのは多分健康に悪い(中東じゃそのせいでテロリストが生まれることもある)。

傷から立ち直れないから、傷とその原因を憎み、傷を連想する相手を攻撃する。平和を願ってつい攻撃的になる。世界中が平和じゃなかった時代の傷を持っている。そんな傷を背負ったある国が、大きい武力を獲得したら・・・
「平和を願うこと」と「平和じゃない状態を憎むこと」。傷を抱えている心は憎しみを選びやすいかもしれない。そして憎しみは必要以上に感情的・攻撃的な気分を作り、争いを生みやすい。新しい傷を生みやすい。では、もしも傷がケアされていたら?

戦争の原因は千差万別だろうが、おそらく「平和じゃなかった時の傷」なんてのも戦争を発生させる要因(例えば世論など)に関わってるのかもしれない(平和じゃなかった時が戦争時だけとは限らない)。
先のイスラエルでの戦いはそんな印象が濃い。


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