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2008年12月 9日 (火)

『少女革命ウテナ』とタロット

今回はある作品を知らないと全く何のことか分からない記事で恐縮だが、あるアニメ作品についてマニアックな記事を書いてみる。
「少女革命ウテナ」という話題になったアニメ作品がある。いかにも少女漫画的なビジュアルで宝塚のような雰囲気を持ちながら、単なる「少女趣味を満足させる娯楽アニメ」にとどまらない成長物語的要素と謎めいた演出がなされていることで話題を呼び、ファンを増やしたといわれている。この「ウテナ」、謎めいた演出を視聴者が様々に解釈する楽しみを与えてくれた作品でもあるだろう。
この作品、タロットを扱う者から見るといくつかの重要な要素にタロット的なメタファーを感じさせることがある。どこがどのようにタロット的に感じるかということを説明するために、独自に作品に出てくるものをそれぞれタロットカードに当てはめてみた。
製作者がタロットを意識していたかどうかは不明。とりあえずストーリー的・キャラクター的にあてはめられそうな部分のみを独断と偏見で。

※表の見方:
作品に出てくるもの・・・・・当てはめたカード
カードの意味(正位置のみ)、〈アニメと絡めた解説〉

「永遠」・・・・棒の4
平安 安心 安定 安穏 安息(揺り籠の中の様な)ひとまずの休息 現実逃避 シェルター(しかし長過ぎる安穏と安定は無聊と行き詰まりを生む 行き詰まりは葛藤へ続く)
〈『永遠』はかつてデュエリスト達に精神的な安心感・安息感を与えたものだが、そこに執着しその状態を永遠に維持しようとすればそれ以降の発展を阻害する。その執着を手放し新たな可能性をさぐることが各人のテーマであり真実の希望らしい〉
〈揺り籠=雛鳥にとっての卵の殻、TV版でウテナやアンシーが入っていた棺〉

生徒会のデュエリスト達・・・・棒の5
切磋琢磨 競合 葛藤 摩擦 プレッシャー 暗中模索 「どれが相応しいか」という結論が未だ出ていない状態 会議なら議論展開中  〈永遠を失ったデュエリスト達が抱える葛藤とそれゆえに行われる決闘。誰が薔薇の花嫁の伴侶に相応しいのか。誰がディオスの力(世界を革命する力)に相応しいのか。しかし、デュエリスト達が葛藤を抜け出すために相応しい手段は、『永遠』を手にすることではなく、本当は『永遠』への執着から抜け出すこと(『永遠』という発想に縛られることから己を解放すること)なのだが、暗中模索中なのでいまだその答えにたどり着いていない〉

5人のデュエリスト+ウテナ参入・・・・棒の6
「どれが相応しいか」という結論が出た状態。仲間の援助 プレッシャーに打ち勝つ 葛藤の終結 一つの結論・目的に向かう状態 ライバル達に友情が芽生え協力者になる 会議なら新たなアイデアが出て満場一致の採決
〈劇場版ではラストで生徒会のデュエリスト達数人が主人公の目的に賛同し外の世界への脱出に協力する やがて彼らもウテナ同様、『永遠』への執着を持たずに新たな可能性や新たな生き方の世界を切り開くべくスタートを切る〉
 
ウテナが決闘に勝ち進む様子・・・・棒の7
有利な立場 自力で立ち向かおうとする強い意志 例え窮地になっても絶望しない 他より抜きん出た何かがある 〈ウテナは心の気高さが抜きん出ていたためにディオスの加護を得て他のデュエリスト達より有利。一度決闘に負けても諦めなかった。〉

学園・・・・・・世界(革命前)
(あるステージにおける)完結 完了 完成 達成 ゴール (しかしどれも新たな次のステージへの始まりを秘めたもの) 暫定的な到着点 とりあえずの一括り。けれども「それがすべてであり至高であり終着点だ」と思い込み前進を止めれば世界はたちまち塔という名の「狭い世界」になってしまう。さしずめ、卵の殻に閉じ込められたように。
〈世界のカードは占星術では『秩序』と共に『抑圧』という意味を持つ土星のカード。この作品では『抑圧』の側面が濃く描かれている〉〈ゴールの先は存在しない、というのはただの固定観念で、『ゴール』の先にも世界は広がっている 固定観念は時に心理的抑圧を生む 固定観念は革命されなければならない 革命される前の世界=学園〉
〈古代には太陽系世界の果てとされていた土星の向こうに『革命』という意味を持つ天王星が発見された。ゆえに暁生が名乗る『世界の果て』というキーワードは意味深。内なる/外なるを問わず、宇宙は膨張し続け、世界は広がり続けるのかもしれない。ゆえに、世界は永遠に一定の状態を保つことはない(=永遠は存在しない)。諸行無常。〉

プラネタリウム(逆さまの城/決闘広場)・・・・・塔(崩壊の塔)
従来の秩序の崩壊 思い込み・固定観念の崩壊 傲慢 (自己)欺瞞の崩壊 欺瞞(欠陥)ゆえの破綻 幻滅 間違った前提の上に建てられたものは崩壊する 砂上の楼閣 塔の下敷きになっていたものが塔の崩壊で姿を現す 自ら建てた塔のてっぺんで「お山の大将(時に薄っぺらな神=力を失ったディオス)」をしていた者の失墜〈プラネタリウムは塔の最上階〉〈タロットでは塔の次に希望と言う意味の『星』のカードがあるが、星をスクリーンに投影するプラネタリウムはさしずめ『にせの希望』で『希望と思い込んだ状態』。そこにいる暁生もまた、偽の王子様であり、ディオスの力を失ったためにディオスのフリをしているだけ 暁生がデュエリスト達に植え付けた固定観念である『永遠』という嘘の破綻〉

車(TV版・劇場版共通)・・・・戦車
自立(独立) 主体性 強い意志(気高さに通じる) 人生の旅路をゆく 己の(人生の)道を切り開く 自分の意識と無意識を一つにして自ら手綱を自在に操る〈=劇場版でのアンシーの巧みなドライブテクニック〉 他人が肩代わりする(他人に依存しまる投げする)ことの出来ない、自分自身だけの独立して自力で取り組むべきテーマ、己の道(他人が踏み込めない己の聖域)に取り組む〈TV版ではデュエリスト達は車を運転せず、暁生が運転している。自分だけの成長テーマに悩み己の道を見失い、暁生に利用されている象徴〉

ウテナとアンシーの関係・・・・恋人
パートナーシップ 心が通じ合う 望む道の選択 自分の知らなかった心の中のもう一人の自分(女性の場合はアニムスとして夢に現れるケースが多い)との対話 顕在意識と無意識とのつながり 自分の中の「統合されたいもう一方の抑圧された部分」や「抑圧された真の希望」 それが無自覚に相手へ投影された様子 相手がそのシンボルになっている様子〈ウテナとアンシーの関係に対し、他のデュエリストと薔薇の花嫁の関係は、各人がアンシーに「偽りの希望(=永遠)」を投影する関係〉〈少なくとも劇場版では、ウテナとアンシーは同一人物の両側面で、ウテナはアンシーという少女の抑圧された側面だったようだ。ゆえに、お互いが統合すべき希望の半身であり、互いが互いのアニマでありアニムスになっている〉〈TV版ではウテナがアンシーを柩の外へ出すことが出来なかった(過程の半分しかアンシーを助ける作業に成功しなかった)のは、ウテナというキャラが自分の半身であるアンシーと統合される前の「半分の存在」だったから。後にウテナとアンシーは統合され、自立した自我と主体性を持つ新アンシーが出現。学園の外に出るという形で世界を革命した(柩=学園)。新アンシーは更なる新たな個性(更なる新たな自分)の象徴に生まれ変わった新ウテナを探しに旅立つ〉
アニムス:女性にとって自分の抑圧された部分のシンボル。しばしば理想の男性像(王子様など)として表れる。その場合、自分のなかの抑圧された個性・可能性や希望といったポジティブなシンボルになっていることが多い。

ウテナ・・・・星
希望 メドが立つ 可能性が見えてくる 道しるべがある 行き詰まりや閉塞状態、抑圧状態を打開する一条の光 よいきっかけ 〈ウテナはアンシーが自我の抑圧を解くきっかけであり道しるべであり、密閉され閉塞した卵の殻に空いた小さな穴であり、そこから入り込む小さな光。TV版では、ウテナは暁生から『きみは水瓶座の少年のようだ』と評される。星のカードは水瓶座と照応している。ウテナがアンシーの無意識の中に抑圧されたもう一人のアンシーだとすると、彼女はアンシーの無意識下から抑圧の殻を破るために働きかけているようだ。ウテナが持つディオスの剣は殻を破る心のくちばしのシンボル?〉

アンシー・・・・愚者
純粋無垢 型にはまらない 可能性に満ちているが今は何も始まっていない状態 何も無い状態から何かを求めて旅立つ 自分探しの旅 ゼロからの出発 独創性(独創性はゼロからしか作れない) 論理的思考では理解できない、直感的な大胆さ 〈アンシーは自我がゼロの状態なので純粋無垢ゆえに暁生(悪魔)の言いなりになる。TV版最終回では、ウテナを探しに旅に出る。ウテナをアンシーの抑圧された半身だとすると、まさに自分探しの旅 オープニングの歌詞にある、『自分の居場所、存在価値』を見つける旅〉

現在の暁生・・・・・・悪魔
堕落 悪い誘惑 間違った手段に走らせる力(間違った手段に走るが故の悪循環) 偽りの導き 偽りの真実 神経症 精神的拘束(けれどもその鎖は緩い) 心の弱みを衝く カルト 依存 抜け出せる執着 偽物は本物に勝てない(多くの場合、悪魔は人を惑わすために神のフリをするが、本当の神には勝てない) 
〈暁生は自分の目的のためにデュエリスト達の心の弱みにつけ込み、『永遠』を信じ込ませ『決闘』という彼らの抱える葛藤を解決するための偽りの手段(間違った手段)を実行するように誘惑して心の気高さを奪い、ディオスの力(世界を革命する力)とは無縁な堕落した方向へ導く。アンシーの自我が目覚めないように(自分から離れないように)精神的に拘束する〉〈彼もまた永遠を信じて己の世界の革命を止めてしまったのでディオスの力を失い偽のディオス(スペイン語で神)になった。神ではないにもかかわらず、自分が神に成り代わろうとしたので、悪魔の王ルシファーになぞらえられる。暁生はルシファーのシンボルである明けの明星(金星)から来てる〉 

作品のテーマとしては、「もっとも気高き心は、無意識領域に抑圧されていた自分の一部を解放・統合する心」といったところか。しかもそれは「抑圧されていた個性」を他者に投影するして求めることなく、他人を利用することなく(偽りの手段にすがることなく)、真っ直ぐに自分の真実と深く向き合う気高さによってなされる。それが「世界の革命」ということか。
ディオスはギリシャ語で「神」。神はユング心理学だとセルフのシンボルでもある。セルフの能力のなかに、個性の獲得や大きな人生の転換の時に本人の自我や無意識と連携して本人を助ける力がある。
作品の世界では、ディオスの加護(連携)を得て世界は革命される。ディオスの加護を得ている時だけはウテナも昔の暁生もディオスと一体化する。

自我と個性の獲得は、そのまま自分の個性が持つ人生の喜びと可能性、主体性、自尊心(自分の居場所、存在価値)の獲得につながる。ビョークの歌で言えば「デクレア・インデペンデンス」だ。ユング心理学なら「個性化」。

この作品でタロットカードを作れたら売れるかもしれない・・・


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