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2007年5月 7日 (月)

占い師の旅路~雲南省・三江併流~その4

香格里拉
雲海を抜けると、そこは雪だった。
見渡す限りの黒い山襞に、粉砂糖のような雪化粧。ああ、あの山には人が住んでいる。チベットの家だ!
飛行機が旋回してやや横に傾くと、視界にそれらの光景が迫ってくる。黒い森に包まれた山の波が気の遠くなるような向こうまで続いている。そして幾つかの襞では、人が大昔から暮らしている。鳥肌が立ってきた。あの光景は決して忘れられないだろう。本当に圧倒されるような景色を前にすると、素人はカメラの存在を忘れるものらしい。無意識に窓におでこをくっつけて「うわー」とか「ひゃー」とか「すごいすごい雪!」とかうるさく声を上げてしまった。後ろに座っていたチベタンが目を覚ました。
「なんだなんだ?」「何が見えるんだ?」と通路をはさんで中央列の乗客(中国人観光客)達は窓の外が気になって、既にシートベルト着用サインが出ているにもかかわらず、つい立ち上がって窓を覗き込もうとする。そして客室乗務員に怒られる。

やがて山々が途切れ、平野と田畑と集落が見えてきた。空港は本当に真っ白だった。香格里拉(シャングリラ)空港到着。今度こそ現地ガイドが待っているはずだ。
防寒具をしっかり着てタラップを降りると、ちらほら粉雪が飛んでくる。寒い。素早く写真を撮ったら、さあ暖房が効いた暖かい空港の建物に入ろう。
空港の建物の中は、寒かった。トイレはそれ以上に寒かった。暖房が効いていなかった。理由は、「現地の人は寒いと思ってないから」
出口に出ると、ガイドはすぐに見つかった。外見でチベタンだとすぐに分かる。ガイドの名前は「四郎」と書いてソナム。インド訛りの英語を話す。私と同い年だ。体が大きくてぼさぼさの髪が、ムックを連想させる。これから車で一つ目の観光地、白水台へ(空港から100km)。運転手はナシ族の青年チャオシン(21)。若いけどドライビングテクニックは「さすが!」。チベットの山道(数百~千mの断崖でもガードレールは無い)を、雪だろうが霧だろうが夜だろうがそつなくこなす。これから二人には、チベットエリアの観光全てをお世話になる。(右がソナムで左がチャオシン

白水台道中
車は一路白水台へ。最近整備されたばかりの観光道路を行く。
チャオシンはお気に入りのポップスをかけて運転する。私たちはソナムと談笑する。「昨日まではひどい天気だった。あなた達は今日来れてラッキーですよ」とのこと。シャングリラの街中に入ると雪も解けていて、あちこちの看板にチベット語が書いてあった。イスラム教徒の回族の店もある。民族衣装の人が自転車に乗っている。エキゾチックだ。あちこちで工事や取り壊しをしている。「政府が観光開発に力を入れているので、古い建物はどんどん壊して新しくしてる」
やがて山道に入ると、再び雪景色。アップダウンが激しくなり始め、山を回りこんで高度を上げていく。平地にあるシャングリラの街が標高3300m。幾つかの峠は富士山より高いだろう。それでもチベットエリアの平均標高よりは低い。
「チベット」と聞くと荒涼とした大地や木があまり生えない岩肌の山々を連想しがちだが、雲南のチベットエリアは原生林が存在している。そんな原生林の中を車は進む。雪が積もっているというのに、八重桜のような花が咲いていた。
しかし、寒い。平地はそれほどでもなかったが、山に入るとものすごく寒い。「今、チベットは冬と春の間。冬は終わったけど、本格的な春じゃない」とソナム。車の外と中の温度差が大きいとフロントガラスが曇ってしまうため、車内は余り暖房が効いていない。しかも運転席(左ハンドル)の窓ガラスがいつも3/1ほどあいている。チャオシンは薄手のブレザー1枚で風に吹かれながら平気な顔をして鼻歌交じりに運転している。そんな状態で峠と谷をいくつも越える。
峠と谷の標高差は日本では考えられないほどだ。峠は真冬谷の集落は初春
くねくねくねくね・・・・・・急カーブやアップダウンを繰り返すうちに、恐れていたことが起きた。車酔いだ。うぷ。車に酔うと、呼吸が荒くなる。普段より酸素消費率が上がるようだ。標高の高い場所で酔って酸素消費率が上がるということ。それは、例のアレ、高山病になりやすいということだ。以前チベットに行ったとき、私は風邪を引いたことがきっかけで高山病になり、風邪の症状と共にリンク先の四角く囲った部分の症状が全部出た。小さな診療所で点滴(備品不足のため、女医さんがそこらの石で壁に釘を打って点滴を吊るした)を受け、何とか回復した。「山の上でじわじわ溺れていく気分」といえば分かるだろうか? 高山病の3日間は死んでいる気分だった。
現在はダイアモックスという薬や、現地で手に入る紅景天というチベットの薬草を使った薬が高山病対策として使われることもある。私たちも今回はダイアモックスと以前現地で手に入れた紅景天を持っていった。

私の呼吸はどんどん荒くなる。気持ちが悪いわ目まいはするわ息苦しいわでわけがわからない。出来るだけ一呼吸で沢山の酸素を吸い込むと、その分疲れてきつくなる。しかし沢山酸素を吸わないと高山病に。だがいつかは力尽きてあまり息を吸い込めなくなるのは時間の問題。これ・・・は・・・高山病・・・確・・・定・・・・  ・・・

続く

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