占い師から見た「アメリ」
テレビで「アメリ」と言う映画を見た。
内気に育ったために、恥ずかしくて一目ぼれした相手と面と向かって喋れない、夢見がちでちょっぴりエキセントリックな女の子のお話。
ある一目ぼれした男性の落し物を届けるために、面と向かって相手 に話し掛けられないアメリはあるすごい作戦を考え付く。その行動力は「本当に内気なのかよ!?」とツッコめるほど。その他、善意から様々な笑えるイタズラをやらかす。ナレーションもいい。
内気であってもアイデアを実行する気力と行動力を駆使しているので、大切な事・肝心な「伝えるべきこと」に気付いたアメリの恋は悲しい結末にはならない。
相手に想いを寄せてはいてるけれど、自分の恋に対して何も出来ず、かといって相手と結ばれることをあきらめられず。やがては自分の想いに気付いて向こうから自分のもとへ来てくれない相手を恨み続ける、というケースを占いでもしばしば見かける。「アメリ」は内気だけどそういうケースとはベクトルが違っているので、むしろそのテの悩みを持つタイプの人々を元気付けてくれるキャラクターかも知れない。
「私は何もしないで向こうから私を選んでくれるためにはどうすればいい?」という質問を占いで何度かもちかけられるけれど、全く何もしなければ自分と言う「個人」が存在している事さえ相手は気付かないことを暗示するカードがよく出る。多分相手にとって自分が「ある特定の個人」じゃなくて「その他大勢の一人」になっているんだろう。「自分が何者か。どんな考えを持っているのか」相手は知っているだろうか? 相手が自分の事を意外と知らない、ということがよくある。さっきの質問を占うとかなりの確立で「情報不足」を示すカード達が出る(一目惚れでまだほとんど喋ったことの無い相手や、いつか来ると信じている運命の誰かについて占った場合はいうまでもない)。人間は知らない人より知っている人の方が親しみを感じやすいし、徐々に自分について知ってもらった方が、相手もあなたについて考えたり判断しやすい。デパートの迷子だって、保護者が「ウチの子かも」と判断出来るように、館内放送ではデパートに来た交通手段、住んでいる駅、年齢、服装など、その子の特徴がある程度流される。
恋を叶えるには気力や勇気がいる。まずは何かをする気力をつけることからはじめよう。まず準備として放送マイクに電源を入れる気力。次にマイクに向かって情報を表現・伝達する気力。
「そんな悠長な事してたら相手は別の人とくっ付いてしまって間に合わないかもしれない」?
その恋に、何もしないでただ相手が来るのをいつとも知れず待ち続ける時間があれば、待ってる間で何かする気力をつけるヒマもある。大抵は。
「アメリ」はアメリ役の女優さんが「ミスタービーン」のローワン・アトキンソンとちょっと似てる。ビーンがパリに住む内気な女の子に生まれ変わったらアメリになるかもしれない。もちろんローワン・アトキンソンよりずっと可愛い。
カットの都合で、昔予告編で観た「うつ伏せで階段すべり」が観られなかったのは少し残念。
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